三宅裕司×楢林奏多×ゆめのが語る、劇団こどもSET『世界中がフォーリンラブ』にかける思い

三宅裕司らが語る『世界中がフォーリンラブ』

楢林「できなかったことができるようになるのも嬉しい」

ーー台本は本公演と全く同じなんですか?

三宅:「子どもにこんなセリフは言わせられないな」という部分は違うセリフにしてますが、ほとんどそのままですね。大人の設定にしないとギャグが作りづらいというのもあるし、大人の世界を演じることで、学ぶことも多いと思うんですよ。恋愛物語ですけど、テレビの恋愛ドラマだって観てるだろうし、わかりやすいんじゃないかなと。女の子を好きになった経験、あるでしょ?

楢林:……。

三宅:え、ないの?

楢林:あります(笑)。小学校3年生のときに……。

三宅:(笑)。ゆめのちゃんは?

ゆめの:あります(笑)。この人好きだなと初めて思ったのは、小学校5年生のときです。

三宅:いいね。僕は小学生のとき、1学期ごとに好きな女の子が変わってたんだよね。一覧表を作ったこともありますよ。「4年の1学期は〇〇ちゃん、2学期は……」って(笑)。

楢林・ゆめの:ハハハハ(笑)。

ーー三宅さんは演出家として、二人の演技をどう捉えてますか?

三宅:全員に言えることですが、大人の役者のように「ここでちょっとウケを狙おう」みたいなところがなくて、とにかく純粋に、ストレートに演じてくれますね。僕がやっているのは、場面ごとの気持ちの説明ですね。それによって芝居も変わってくるし、細かい動きも決まってくるので。

ゆめの:もともと大人向けの台本なので、難しいなと思うところもあって。三宅さんの説明はいちばん分かりやすくてしっくりくるし、演じやすいです。

三宅:そうじゃないと困っちゃうよね(笑)。

楢林:三宅さんに教えてもらって、できなかったことができるようになるのも嬉しいです。

三宅:「このセリフを言うときはこういう気持ちだから、動き方はこうなるよね」ということを細かく話してますから。とにかく子どもたちには、純粋に演じてほしいですね。そうすることで、純愛というテーマがさらに強く伝わると思うので。そこは狙いたいところです。

ーーなるほど。特に印象的なセリフは?

ゆめの:最後の「私も同じことを考えてた」ですね。セリフを言うとき、すごく緊張しちゃいます。

三宅:すごくいいセリフだよね。心が通じ合ってるってことだから。奏多くんは?

楢林:「君は俺に恋をしている」です。

三宅:有奈が住んでるお屋敷で語り掛ける場面だね。友達が芝居を観に来たら、「“君は俺に恋してる”だって!」ってからかわれちゃうんじゃない?(笑)

楢林:言われそう(笑)。でも、がんばります。

三宅:普段は言えないことを言えるのも、お芝居のいいところだから。ただね、この劇団の難しいところは、ギャグがあることなんですよ。笑わせる場面はまた違う気持ちでやらないといけないし、「カン違いしてるからおもしろい」みたいな演技も求められるので、そこは大変だよね。

ゆめの:そうですね。私が演じてる有奈は、どちらかというとツッコミ役なんですけど、タイミングが難しくて。

三宅:ふだん“ぼんじり!”ってお尻を掴まれたりしないもんね(笑)。奏多くんはどう?

楢林:僕の役もツッコむことが多いんですけど、どういうタイミングで言えば笑いが起きるのかわからなくて。難しいです。

三宅:笑わせるのは難しいし、その場で結果が出ちゃうからね。お客さんがシーンとしてたら、それは失敗だから。ギャグを言うときのタイミング、“間”は体で覚えるしかないんだよ。その日のお客さんによっても“間”は変わってくるんだけど、今回はそこまでは要求しません(笑)。まあ、いずれはそれも気にしなくちゃいけないんだけどね。

ーー『ロミオとジュリエット』や映画『ゴースト ニューヨークの幻』などをパロディとして取り入れた場面もありますね。

三宅:そういう部分に関しては、興味を持って調べてもらえたらなと思います。今はすぐに観れますから。

ゆめの:映画『ゴースト』は知らなかったです。本公演を観たときに、お母さんに教えてもらいました。

楢林:『ゴーストバスターズ』は知ってるんですけど……。

三宅:そっちじゃない(笑)。そういう作品を観たり、いろいろなお芝居を観るのも大事だよね。

ーー公演日は8月13〜15日。いよいよ近づいてきましたが、楽しみと不安、どっちが大きいですか?

ゆめの:楽しみのほうが大きいです! もちろん練習はもっとやらないとダメですけど。私、普段からそんなにリアクションが大きくなくて。しっかりお客様に伝わる演技をしたいです。

楢林:僕は不安のほうが大きいです(笑)。歌のハモリも、他のパートにつられそうになったり。失敗したらどうしよう? って思っちゃいます。

三宅:それは誰でも同じだよ。「失敗したらどうしよう」という不安を乗り越える方法、知ってる?

楢林:練習すること!

三宅:正解です! 舞台に上がったときに、「あれだけ練習したんだから、大丈夫だ」と思えたらいいよね。

ーー家でも練習してますか?

楢林:めっちゃしてます。お母さん、お父さんが劇団を作ってくれて、一緒に練習してくれるので。

三宅:家族で劇団作ったんだ(笑)。いいね。

ゆめの:私も家族に手伝ってもらってます。お母さんは舞台が好きなので、私の演技を見て、「もうちょっとこうしたら?」って言ってくれて。私がずっとセリフの練習をしてるので、年長さんの姪っ子がマネするんですよ。その言い方を聞いて、「私、こんな感じで言ってるのかな。ちょっと違うかも……」って思ったり(笑)。

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