菅原小春、『おかえりモネ』に新たな“運命の相手”として登場 スポーツ気象の重要性とは
「あなたのおかげで」と言われたら。まっすぐな言葉に面を食らいながらも、思わず涙が溢れそうになった経験はないだろうか。百音(清原果耶)のように、大事な時、何の役にも立てなかったという思いを抱えている人なら感慨もひとしおだ。
生きている実感を得られる、“私もここにいていいんだ”と思える。別に何か見返りを求めていたわけではないけれど、「人の役に立ちたいって、結局自分のためなんじゃん?」という莉子(今田美桜)の言葉はやっぱり真実かもしれない。
冒頭から視聴者の心に揺さぶりをかけた『おかえりモネ』(NHK総合)第58話では、台風が過ぎ去った後の天気のように、カラッとした性格の新キャラクターが登場した。
明日も朝早いだろうに、一人机の前で莉子の言葉を反芻する百音。一方、故郷の島では妹の未知(蒔田彩珠)が研究の成果が出ずに肩を落としていた。ただ楽しく生きてほしいという母の願いとは裏腹に、知らず知らずのうちに使命感に駆られていた2人の子供。そんな百音や未知の性格を莉子は“重い”と表現したが、それは“感受性が豊か”とも言い換えることができる。周りの状況や人の思いを敏感に受けとり、背負わなくていいことも背負ってしまう優しい子。もどかしくてついつい周りはその荷物をどかしたくなってしまうけれど、悩み続ける姿はとても愛おしい。
「運命の相手というのは、こちらの心が揺らいでしまいそうになると、突然現れたりもするものです」
そんな百音の元に、また“運命の相手”と思われる一人の女性が現れた。彼女の名前は鮫島祐希(菅原小春)。車いすマラソンの選手で、第一人者といっても過言ではないほど優れた成績を残している。腕の力だけで走りきる距離は、驚異の42.195キロ。ただ2016年オリンピックの選考会では、熱中症になり惜しくも代表を逃したという。
彼女がなぜ気象情報会社を訪れたのか。それは次の大会に出場するため、競技日の気象情報や自身のコンディショニングなどのサポートを得るため。コテコテの関西弁で明るくチャーミングだが、「勝ちたい」「諦めたくない」と訴える瞳の奥には燃えたぎる闘志が見える。