森田望智の芝居からなぜ目が離せないのか 『おかえりモネ』『全裸監督』での心情表現

森田望智の芝居からなぜ目が離せないのか

「いいかげん、女性の笑顔はドン引きと表裏一体って覚えてください」

 第10週より舞台を東京に移した『おかえりモネ』(NHK総合)。東京編では上京した百音(=モネ/清原果耶)が気象予報の現場で悩みながらも前に進む姿が描かれる。

 冒頭のせりふは、モネが所属することになったウェザーエキスパーツの先輩気象予報士・野坂碧が仲間の女性予報士に無礼な言葉を投げかけた男性テレビ局員にサラっと言い放ったひとこと。劇中で繰り出されたこの鮮やかなカウンターパンチは放送直後から反響を呼び、SNSでも大きな話題となった。

 野坂は『おかえりモネ』登米・気仙沼編から登場。人気気象キャスターの朝岡(西島秀俊)、同僚の内田(清水尋也)と登米を訪れ、モネや森林組合の人々とともに山に入って樹木の保水量に着目。将来はそのデータを活かし、防災に役立てたいと語る。また、早いうちからモネの気質が気象の現場に向いていると見抜いた人物でもある。

 ウェザーエキスパーツでは交通班に所属し、気象情報を企業や各交通機関に提供する仕事に従事。3部門の中でもっとも売上高が多いと語る彼女の表情は少し誇らしくも見えた。

 そんな野坂碧を演じているのが森田望智。まだ24歳とは思えない落ち着きと肝の座った芝居で作品の一部をしっかり担う。

『おかえりモネ』写真提供=NHK

 それまでCM等に出演していた森田がドラマや映画の現場でも活動するようになったのは2013年。が、世の多くの人が「俳優・森田望智」の存在を知ったのはドラマデビューから6年後、2019年ではないだろうか。

 2019年に森田は2つの作品で印象的な演技を見せる。1つはNHK・ドラマ10の枠で7月から9月にかけて放送された『これは経費で落ちません!』。横浜の石鹸メーカー、天天コーポレーションの経理部勤務・森若沙名子(多部未華子)を中心に、仕事と経費にまつわるあれこれを描く本作で森田は第7話のゲスト・藤見アイ役として出演。

 アイは仙台工場社員・石鹸マイスターの留田辰彦(でんでん)の本社表彰式出席に同行してきた女性社員。一時はその奔放な言動から留田との怪しい関係を疑われるが、じつは留田が彼女の突出した才能を見出し、体が弱った自らの後継者として育てている人材という役どころだった。

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