劇場が戦場に様変わり! シネマート新宿“ブーストサウンド上映”で観た『T-34』に圧倒
昨今、『アングスト/不安』や『狂人暴走大激突』など独特のラインナップで映画ファンに支持されているシネマート新宿が、この度パワーアップした音響を披露した。
スクリーン全面にコンサート用のサブウーファーを4台導入。こちらを活かしての上映を「ブーストサウンド上映」と名づけ、そのお披露目となる特集上映が7月23日から開催されている。
筆者はそのブーストサウンドをさっそく体験させてもらったので、その鑑賞体験をお届けしたい。
映画館激戦区の新たなシンボルとなるか
映画はビジュアルの表現だと言われがちだが、実際には映像と音の2つの要素で構成されている。映像を生かすも殺すも音次第だ。黎明期であるサイレント映画時代ですら、生演奏による伴奏があったことを考えれば、音は映画にとって常に重要な要素だったと言える。
近年では音響にこだわる映画館が増加し、同じ作品でもどの劇場で鑑賞するのかによって鑑賞体験が大きく変わるようになってきた。音の在り方ひとつで同じ映画が全く違って見えてくる面白さを比較して楽しむ映画ファンも増えてきている。
シネマート新宿のある新宿エリアは、シネコンが3つあり、テアトル新宿や新宿武蔵野館などミニシアターも豊富な映画の激戦地区だが、凝った音響を提供する劇場は少ない。この地域を主に利用する映画ファンにとって嬉しいだろう。
シネマート新宿は単館系の劇場と言っていいだろうが、ブーストサウンドが導入されたスクリーン1の座席数は333席で、スクリーンサイズは横幅11メートルとシネコンの同等レベルの大きさだ。大画面による映像の迫力が元々あった劇場なので、そこに低音をパワーアップさせた音響が加わることになる。これまで以上に、この劇場の良さが生きることになるだろうし、映画ファンにとっては、シネコンではあまり上映されないタイプの作品を大迫力の音響と大きなスクリーンで楽しむことができるようになるので選択肢がぐっと広がる。
今回導入されたのは、シネマ用ではなくコンサートホールなどで用いられるJBL-ASB6118を4台。18インチの低域ドライバーを搭載し迫力あるサウンドを出力する。これを客席からも見える位置に配置しており、映画上映前から期待感を高めてくれる。