『クワイエット・プレイス』シリーズ大成功までの道のりを辿る 第3弾の可能性は?

『クワイエット・プレイス』成功までの道のり

 2018年に公開され、わずか1700万ドルの予算で、全世界興収3億4000万ドルの興行を叩き出し、SNSを中心に大きな話題を呼び、数多くのホラー映画の中でも記憶に残るほどの社会現象を巻き起こした映画『クワイエット・プレイス』。そして、昨年公開予定だった待望の続編『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』は、パンデミックで何度もの延期を経て、ようやく全米で公開されると、パンデミック以降に公開された米国映画で初の1億ドルの興行を稼いだ作品となり、その評価も前作に劣らず高い評価を受けた。

 今回は、そんな『クワイエット・プレイス』、続編『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』、さらにシリーズ第3弾、そして同シリーズのスピンオフまで、いかに派生していったかを、筆者が行ったキャスト陣とのインタビューを含めながら紹介していきたい。

 前作は、音に反応して人間を襲う“何か”が潜む世界で、音を立てずに生き延びようとする一家を描いたホラー作品。リー(ジョン・クラシンスキー)&エヴリン(エミリー・ブラント)夫妻は、聴覚障害の娘リーガン(ミリセント・シモンズ)と活発な息子マーカス(ノア・ジュプ)らとともに、日々の生活では手話を用い、裸足で歩くなどして、決して音を立てないというルールを固く守りながら静寂を保って暮らしてたが、エヴリンの胎内に新しい命が宿ったことで、一家は新たな危機に晒されていくというもの。

 音に反応して人々を襲う“何か”の襲来によって、文明が滅び荒廃してしまった世界を舞台に、その“何か”に立ち向かうアボット一家を描いた前作は、「音を立てたら、即死。」という斬新なコンセプトでホラー映画界にも大きな衝撃を与えた。

『クワイエット・プレイス』の企画から大成功まで

 もっとも、監督・主演・脚本・製作まで務めたジョン・クラシンスキーは、それまではホラー嫌いで、前作を手がけるうえで、数多くのホラー映画を鑑賞して製作に臨んでいたという。「できる限りのホラー映画を見尽くしたよ。それは、過去のB級映画から、『13日の金曜日』のジェイソンや、『エルム街の悪夢』のフレディのように、(理由もなく)次から次へと観客を怖がらせるようなものが多かった。一方、僕の気に入っている『ジョーズ』には、怖さだけでなく、観客を惹きつけるさまざまな要素があって、そういうところを今作のストーリーに反映させたいと思ったんだ」と語る通り、「音を立てたら、即死。」という画期的なアイデアだけでなく、難聴の娘リーガン、好奇心が旺盛な息子マーカス、意志の強い母親エヴリンなど個性的で共感の持てる強い絆の家族を作り上げていった。

 エミリーは、前作で初めて夫のジョンとタッグを組んだため、撮影現場では気を使ったらしく「カメラが回る前は、あえて少し距離を置いて仕事をしていたの。ただ、いったん撮影にに入ると『それには同意できないわ』と、現場で言い争ったこともあった。それでもうまくコラボできたのは、撮影中でのクリエイティブな面に関しては、ほとんど意見が一致していたからだと思う。ジョンは自分自身も俳優だから、感情的なシーンでは俳優たちに自由に演技をさせていたことが良かったと思う」と明かしている。

 そんな前作の成功の理由には、何があったのだろうか? その答えは、ジョンが見どころを語ってくれた際にあるように思えた。「この映画の魅力は、家族のあり方なんだ。大切な人を守るということ、過酷な世界で家族と協力するということなんだ。実際にホラー映画で泣くと思っていなかったと言ってくれた人がいて、きっと感情を揺さぶられる作品になっていると嬉しいね」と明かし、そして事実、世界中の多くの心を揺さぶる映画になっていった。



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