『リコカツ』紘一と咲は本当に別れてしまうのか!? 永山瑛太と北川景子にみる結婚の難しさ

『リコカツ』で知る結婚制度の難しさ

「もう君の夫ではない」

 離婚に向けた活動(離婚活動)がテーマの『リコカツ』(TBS系)第6話では、なんと緒原紘一(永山瑛太)と咲(北川景子)が離婚届を提出した(と、少なくとも紘一は言っている。真偽のほどは不確かではあるが……)。それぞれの両親も含め、これでついに3夫婦ともに離婚したことになる。

 離婚を決意した途端、紘一は“他人と住んでいると思うことにした”と言い、朝4時に1人で起きて1人で唱和し、各自が食事の準備をすればいいと割り切るようになる。しかも、どうせ自分の分を作るなら2人分を作るのも一緒だと咲の朝食も作り、2人して食事する姿は互いに無理をしておらずとても自然体で微笑ましい。

「料理は妻がするものだという先入観があった。今思うと自分がやれば良かった」
「他人と思えば気が楽」

 「結婚」した途端、「夫婦」になった瞬間に、どうしてこうも“夫婦とはこうあるべき”という姿や役割意識に捉われてしまうのだろうか。本来、夫婦の数だけあるはずの「幸せ」の形を社会通念に照らし合わせて考えてしまい、自らに窮屈な思いを課してしまう。「役割分担」は素晴らしいことだが、それも性別によって、立場によって自動的に割り振られるものではなく、2人のライフスタイルや得手不得手に沿って配分したっていいはずだ。

 本作の脚本家の泉澤陽子氏もインタビューで語っている「結婚や離婚は、社会生活を送りやすくするために人間が考えた制度なのに、その制度によって生きづらくなっている人っていると思うんです」(参照:北川景子の起用は3年がかり 他のラブストーリーとは一味違う『リコカツ』の制作背景)という言葉は、まさにこの作品を通して、登場人物全員が伝えてくれている一貫したメッセージだろう。

 咲の母親は「離婚って悪いことだと思ってないの。前に進むってことでしょ。想いがあるから離婚するってこともあるし」と意味深なことを言い、紘一の母親は「これでようやく一人の人間として歩いていける気がする。ありがとうございました」と離婚後に語る。

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