『リコカツ』結婚と仕事の両立の難しさに直面 思わず途方に暮れてしまうラストに

『リコカツ』結婚と仕事の両立の難しさに直面 思わず途方に暮れてしまうラストに

「だったらなんで結婚してんの? 結婚してる意味ってなに?」

 離婚に向けた活動(離婚活動)がテーマの『リコカツ』(TBS系)第5話は、離婚撤回の前話からあまりに急転直下な展開で一難去ってはまた一難……だ。緒原紘一(永山瑛太)と咲(北川景子)それぞれの身に仕事で大きな転機となる出来事が起きる。全く正反対の業界に身を置きながら、2人ともプロ意識高く自身の仕事に誇りを持った職業人同士、こと仕事のこととなると互いにどうしても譲れないポイントのようだ。これまで主に描かれきたのは好みや趣向といった価値観の違いだったが、今話描かれたのはもっと現実的で物理的なハードル、かつ当人2人だけの問題ではなく、それぞれに仕事相手を巻き込んでの問題で、単なる“譲り合い”だけではなかなか折り合いをつけるのが難しい。住む場所や暮らし方(同居なのか否か)など、正に明日からの互いの「生活」に関わる決断となり、この調整には苦心するだろう。

 夫婦といったって他人なのだから、もちろん全てを分かち合えるわけではないが、“どうしたって譲れないポイント、目をつぶれないポイント”が一致しないのはなかなかに致命的だ。咲が文芸部に異動になり恋愛小説家・水無月連(白洲迅)の担当編集になったことで、紘一と生活リズムがほぼ真逆になってしまったのも非常にまずい。「生活リズムの違い」は、余程相性の良い2人であってもすれ違いの原因に大いになり得る。

 “言わなくてもわかるだろう、家族なんだから、夫婦なんだから”というのは幻想でしかなく、過信でしかない。出会った当初からずっと相手も自分も変わらないと信じて疑わないのも驕りだ。紘一の母親がずっと自分の好みではない卵焼きを夫のために作り続けていたように。どの幸せな思い出にも不在な夫を見て見ぬふりしながら夫婦を続けてきた妻の心の内など知る由もないように。咲の母親にしたってそうだ。その時を虎視淡々と待ちながら一人暮らしと独立ができるだけの貯金をしていた妻の様子に夫は一切気付いていなかったようだ。彼女が病気を患っていることさえ夫はいまだに知らない。

 ただでさえそうなのに、対話できる時間がないというのはまた問題解決を遠ざけてしまう。そのうち、そのすれ違いの日々が当たり前になり、互いにひとつ諦め、ふたつ言葉を飲み込み、ようやく口にできた際には「結論」だけとなってしまう。相手からすれば「なんで急にそんなこと言うの? どうして夫婦なのに何の相談もなしに?」となるだろうし、本人にしてみても「いや、耳を貸そうとしなかったのはそっちじゃないか」と、互いにフラストレーションを溜め込み、話し合いは平行線を辿るばかりとなる。それが続けば、怒りや失望さえなくなり、もはや「無関心」の域に達してしまう。結果、彼らの母親のように必然的に「相談」ではなく、一方的な「報告・通達」になってしまうのだろう(あるあるすぎて書き連ねていて辛くなってくる……)。

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