『大豆田とわ子と三人の元夫』嫌な予感は想像以上の結果 餃子パーティーの裏に残酷な現実

『まめ夫』嫌な予感は想像以上の結果に

 「今週はどうなるのか?」と、ハラハラする気持ちで向かえた『大豆田とわ子と三人の元夫』(カンテレ・フジテレビ系、以下『まめ夫』)の第6話。

 火曜夜9時から放送されている本作は、住宅建設会社しろくまハウジング社長の大豆田とわ子(松たか子)と3人の元夫の関係を描いたラブコメディだ。しかし、第5話でイベント会社の社長・門谷(谷中敦)が登場して以降、不穏なムードに物語は反転。プロポーズを断ったとわ子に対し門谷は、しろくまハウジングと進めていた仕事の追加予算の要請を断り「現在の予算で仕事を進めなければ契約を破棄する」と圧力をかける。 

 とわ子は門谷の説得に向かうのだが、門谷の車に乗った後は何の音沙汰もない。

 しろくまハウジングで社員たちが予算削減にために喧々諤々の議論を繰り広げる中、とわ子を心配する元夫たちは、一人目の夫・田中八作(松田龍平)の経営するレストラン「オペレッタ」に集まっていた。そこにはなぜか八作に気がある三ツ屋早良(石橋静河)、二人目の夫・佐藤鹿太郎(角田晃広)と、不倫を隠すための偽装交際をおこなっていた女優の古木美怜(瀧内公美)、三人目の夫・中村慎森(岡田将生)につきまとうホテル従業員の小谷翼(石橋菜津美)がいて、6人は合コン状態で自己紹介をすることに。その後、とわ子の父親、三人の元夫にとっては元義父の旺介(岩松了)に呼び出され、6人はとわ子のマンションへ向かい、そこで餃子パーティーをはじめることになる。

 とわ子のマンションでおこなわれる餃子パーティーは6人の思惑が複雑に絡み合うもので、坂元裕二作品では『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(フジテレビ系)の登場人物が一同に介して芋煮会をひらく場面を思い出す。

 「同じ釜の飯を食う」と言うたとえがあるが、食事を共にするということは親密な関係であることの現れであり、だからこそ、ホームドラマでは家族が食事を共にする場面が繰り返し描かれる。

 坂元裕二作品の登場人物も食事を通して親密になっていくのだが、登場人物が一同に介する場面では、それが行き過ぎて、それぞれの本音が溢れ出す地獄絵図と化してしまう。

 今回の『まめ夫』も女たちが心情を吐露し、元夫たちに好きだという気持ちを伝えると同時に彼らを批判。その後、恋愛関係になるのか? と思いきや、女たちの気持ちはとっくに醒めていたという結末になる。この一連の流れは坂元裕二が得意とする「恋愛あるある」「男と女あるある」の名台詞連発で恋愛ドラマとして見応え抜群だが、視聴者としては「とわ子がどうなったのか?」の方が心配で、彼らの恋愛模様に集中することができない。

 やがて、しろくまハウジングには門谷の会社から社長同士の交渉が決裂し、契約は白紙に戻すという連絡が入る。とわ子は「会談を打ち切って退出した」とだけ言われるため、とわ子がどういう状態なのか全くわからない。

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