『僕のヒーローアカデミア』“全員主役”の魅力はアニメで倍増 成長が伝わる合同戦闘訓練編
集英社『週刊少年ジャンプ』にて連載されている『僕のヒーローアカデミア』(堀越耕平)のTVアニメ第5期が、毎週土曜17時30分より読売テレビ・日本テレビ系にて放送中だ。
本作は、総人口の約8割が“個性”と呼ばれる何らかの超常能力を持つ世界を舞台に、個性を悪用する犯罪者・敵(ヴィラン)から人々を守るヒーローの活躍を描いたもの。無個性だった少年・緑谷出久が憧れのNo.1ヒーロー・オールマイトから個性“ワン・フォー・オール”を受け継ぎ、ヒーロー輩出の名門・雄英高校で仲間たちとともに成長していく姿が人気を博している。
『ONE PIECE』(尾田栄一郎)や休載中の『HUNTER×HUNTER』(冨樫義博)に続くジャンプの長期タイトルで、今年3月22日に発売された16号から最終章に突入した通称『ヒロアカ』。時代とともに変わりつつあるが、友情・努力・勝利が三大原則と言われる『ジャンプ』王道のヒーローアクションで、それが最大の魅力でもある。
中でも心震えるのは、『ジャンプ』で定期的に実施される『ヒロアカ』の人気投票で毎回上位を占める雄英高校ヒーロー科1年A組の生徒たちの存在だ。彼らが己の未熟さに打ちひしがれながらも、仲間とともに切磋琢磨し、努力を重ねていく。文字通り、“個性”豊かな彼らがヴィランと対峙した時に培ってきた力を発揮するアクションシーンも見どころだが、『ヒロアカ』はそれまでの過程を丁寧に描いており、アニメでも省略することなく原作に忠実な形でストーリーが展開していく。
オールマイトから譲り受けたワン・フォー・オールをうまく使いこなせないでいた出久だけではなく、他の生徒たちがそれぞれフューチャーされる回が多数あり、その度に彼らがヒーローを志した理由や心の葛藤が明らかになるのも、共感を呼ぶ所以。例えば、ずっと見下していた幼なじみの出久に敵意を剥き出しにしていた爆豪勝己の第一印象は“粗暴ないじめっ子”だったが、出久が憧れのオールマイトに認められたことでプライドが傷つき、それでも悔し涙を浮かべNo.1を目指す彼はヒロアカ屈指の人気キャラクターだ。ストイックで天才肌。けれど精神的に未熟なところがあるからこそ、応援したくなるのではないだろうか。
特に3月27日より放送開始となった第5期では、1年A組の生徒たちが目覚ましい活躍を見せている。見どころは彼らと同じくヒーローを目指す1年B組との合同戦闘訓練。A組の生徒は雄英に入学して早々、敵組織・ヴィラン連合の襲撃に遭いながらも危機を脱したことや、クラスの中に入試実技1位、体育祭総合優勝を獲得した爆豪や、No.2ヒーロー(現No.1ヒーロー)エンデヴァーの息子である轟焦凍など、目立つ生徒が多いことから何かと世間に注目されているが、B組にも強力な個性を持った優秀なヒーロー候補生が存在し、彼らはA組をライバルとして意識しながら力をつけてきた。そんなB組との合同戦闘訓練でA組は苦戦を強いられる。