『僕のヒーローアカデミア』“全員主役”の魅力はアニメで倍増　成長が伝わる合同戦闘訓練編

　A組とB組それぞれで4人組のチームを作り、「ヴィラングループを包囲し確保に動くヒーロー」という設定による対抗戦がスタート。第一試合ではヒーロー科への編入を狙う普通科C組の心操人使による活躍もあり、A組は勝利をおさめる。第二試合で注目されたのは、同じ“闇”を駆使する個性を持った常闇踏陰と黒色支配、職場体験で一緒になってから、周りにも比べられ互いに意識する存在だった八百万百と拳藤一佳による因縁の対決だ。常闇が編み出した新技で黒色の攻撃に対抗した第93話に引き続き、5月1日に放送された第94話では、八百万がチームに貢献する。

　雄英に推薦入学した優等生で、「ヤオモモ」とみんなから慕われる八百万。最初こそ勝気でクールビューティーな女の子に見えたが、体育祭で常闇に完敗して以降は自信なさげな姿が目立っていた。そんな彼女が挫折から立ち直れたのは、期末試験で轟から“戦略を立てる力”を見出されたことがきっかけ。「先を見据えて」というタイトル通り、どんな時も冷静に状況を判断し、ピンチを脱する方法を彼女は編み出すことができる。

　合同戦闘訓練では、B組・小森希乃子のキノコの胞子を放出する個性や、吹出漫我の漫画のコマに描かれた擬音を具現化できる個性により、司令塔の八百万が孤立。そこに彼女と同じくチームを牽引する拳藤が現れ、八百万に接近戦を挑む。拳藤は八百万の判断力を見越し、考える隙間を与えないように力で対抗しようとしていたのだ。しかし、なんと八百万はとっくに先を見据え、自身が持つ創造の個性で彼らに対抗できるアイテムを生み出していた。結果的に拳藤が八百万を気絶させ、常闇も一旦は捕まえた小森の反撃を受けたことで勝利はB組の手に。それでも改めて、八百万の明晰さを拳藤だけではなく、そこにいる生徒たちが実感させられた試合となった。

「また一歩近づいたな、君らが望む」
「僕らが憧れる」
「“ヒーローに”」

　そんな出久とオールマイトの台詞に頷きが止まらない、1年A組の“Plus Ultra”を見守っていきたい。

■苫とり子
フリーライター／1995年、岡山県出身。中学・高校と芸能事務所で演劇・歌のレッスンを受けていた。現在はエンタメ全般のコラムやイベントのレポートやインタビュー記事を執筆している。

■放送情報
『僕のヒーローアカデミア』TVアニメ第5期
読売テレビ・日本テレビ系にて、毎週土曜17:30〜放送
※一部地域を除く
原作：堀越耕平（集英社『週刊少年ジャンプ』連載）
総監督：長崎健司
監督：向井雅浩
シリーズ構成・脚本：黒田洋介
キャラクターデザイン：馬越嘉彦・小田嶋瞳
音楽：林ゆうき
アニメーション制作：ボンズ
声の出演：山下大輝、岡本信彦、佐倉綾音、石川界人、梶裕貴、増田俊樹、悠木碧、井上麻里奈、細谷佳正、天崎滉平、小笠原亜紀、沖野晃司、松岡禎丞、真坂美帆、羽多野渉、諏訪部順一、三宅健太 ※天崎滉平の崎は「たつさき」が正式表記
(c)堀越耕平／集英社・僕のヒーローアカデミア製作委員会
公式サイト：http://heroaca.com/
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