必殺技やコスチュームがカギ? 『ヒロアカ』『スパイダーマン』『るろ剣』などにみるヒーロー論

必殺技やコスチュームがカギ? 『ヒロアカ』『スパイダーマン』『るろ剣』などにみるヒーロー論

 『鬼滅の刃』『約束のネバーランド』『ハイキュー!!』……『週刊少年ジャンプ』の人気漫画が、次々と完結した2020年。先日は、『アクタージュ act-age』が原作者の不祥事により急転直下の連載終了となり、世に衝撃を与えた。

 そんな中、『ONE PIECE』と共に看板漫画の一角として気を吐いているのが、『僕のヒーローアカデミア』(以下、『ヒロアカ』)だ。シリーズ累計発行部数は2700万部を突破しており、TVアニメは第4期まで放送され、第5期が制作進行中。

 劇場版はこれまでに2作制作されたが、第2作『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング』は、日本での大ヒットだけでなく、北米で公開された日本のアニメ映画の歴代興行収入で第8位に。『千と千尋の神隠し』をしのぐ好調ぶりを見せつけた。

『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング』(c)2019「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE」製作委員会 (c)堀越耕平/集英社

 『ヒロアカ』が日米で人気なのは、アメリカンコミックの要素を存分に注入し、「友情・努力・勝利」の“ジャンプ魂”と融合させた点にあるだろう。また、作中に『アベンジャーズ』『バットマン』『X-MEN』『ターミネーター』『エイリアン』『スター・ウォーズ』等々、ハリウッド映画の小ネタが無限に仕込まれており、映画ファンの心をくすぐる仕様になっている。

 そしてまた、『ヒロアカ』が興味深いのは、日本のマンガ・アニメ作品の中でやや異質といえる「ヒーロー論」を打ち立てている点。かといって、アメコミの要素をそのまま持ち込んでいるのではなく、ウルトラマンや仮面ライダー、戦隊ものなど、この国で連綿と続いてきた「ヒーローの概念」を踏まえたうえで、説得力のあるものに仕上げている。

 今回は、この『ヒロアカ』がつまびらかにした、日本におけるヒーロー作品の特徴とアメコミ作品との差異、近年の国内ヒーロー作品における“進化点”を、実写映画やアニメ作品を中心に考察していきたい。

 まず、『ヒロアカ』の設定で興味深いのは、「ヒーローが資格制の職業であること」だ。いわば公務員的な扱いで、プロヒーローは数々の資格試験をクリアし、免許を取得しなければならない。

 なぜそのようなルールが課されているのか? 『ヒロアカ』の世界は総人口の約8割が“個性”と呼ばれる特殊能力を有しており、法整備を行わなければ個々が力を自由行使し、秩序が崩壊するから。

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