横浜流星、思いの滲む表情で物語を引き締める 『着飾る恋には理由があって』で越える壁

横浜流星、『着飾る恋』で越える壁

 今まで見てきた横浜流星とは、明らかに違う。いいよ、横浜さん。すごく、いい。

 TBS系火曜ドラマ『着飾る恋には理由があって』は、着飾る女・真柴くるみ(川口春奈)と、ミニマリスト男・藤野駿(横浜流星)がひとつ屋根の下で暮らすことから始まる“うちキュン”ラブストーリー。

 制作陣は、プロデュース・新井順子、演出・塚原あゆ子という『アンナチュラル』(TBS系)、『MIU404』(TBS系)を生み出した最強タッグ。さらに脚本は『恋はつづくよどこまでも』(TBS系)の金子ありさとあって、放送前から注目度が高かった今作だが、恋模様にキュンとしたり、セリフがするどく心に刺さったりと、期待を裏切らない盛り上がりを見せている。

 第1話、訪問先の最寄り駅を間違えてしまった真柴に、キッチンカーの運転席から「もしかしてお困りですか?」と声をかける駿。そこから2人の物語が動き出すのだが、数秒後には、真柴に覆い被さるように“車のドアを締める”といういきなりの胸キュンポイントが到来。心の準備ができていないうちに先制パンチを食らい、まんまとトキめかされてしまう。

 さらに車内では「俺の店、Fuji Bal〜!」とハイテンションに声をあげ、「和洋中得意なんで~」と自画自賛。これまでクールな役柄の印象が強かった横浜だけに、人と接する際、常に口角が上がっているようなキャラクターはとても新鮮。そんな役柄を演じるにあたり、放送前のインタビュー(参考:川口春奈&横浜流星、SNSをやる上でのマイルールとは 『着飾る恋には理由があって』対談)では、「目の前に“すーっごく高い壁”が立ち塞がった感じがした」と語っていたが、その壁を越えて走り始めた“新たな横浜流星”の幕開けに、胸が高鳴った。

 その後も、洗面所でさらっと脱ぐし、自転車にぶつかりそうになった真柴の腕をグイッと引くし、落ち込んでいる真柴にカレーを作るし、酔い潰れた真柴をお姫様だっこするし。思うがままにドキッとさせられて、なんだか悔しくなってしまうほど。続く第2話でも、転びそうになった真柴を全身で受け止めたり、靴擦れがひどい真柴をおんぶしたりと、鍛え抜かれた肉体美が周知の事実となっている横浜だからこそ説得力が増す“キュン”を、次々放出していく。

 なかでもまだ第2話で訪れた最大のハプニングといえば、やはり冷蔵庫キス。第1話終了後、真柴と駿のキスを思わせる予告が流れた際には「またまた~、直前でおあずけパターンでしょ?」と高を括っていたのだが、2人は吸い込まれるようにそのままキス。その光景はあまりに美しく、“共同生活の甘い罠”が解けてからの動揺っぷりはあまりに愛おしかった。

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