『大豆田とわ子と三人の元夫』角田晃広の好演が光る 元夫たちの女性関係に大きな動き?

『大豆田とわ子と三人の元夫』角田晃広の好演

 ダンスシーンの美しさもさることながら、今回は鹿太郎を演じる角田の好演が光る回だった。周囲から「器が小さい」と言われる鹿太郎は、キザでカッコつけたところがあり、いつも一言多い鬱陶しい男だが、どこか憎めないところがある。それは彼が人の気持ちを思いやれる大人だからで、だからこそ社長として悩むとわ子の気持ちも理解できたし、彼女も心を開いたのだろう。


  坂元裕二は角田が所属するお笑いトリオ・東京03の大ファンで『ユリイカ2021年2月号 特集=坂元裕二』(青土社)の中で東京03の飯塚悟志と対談している。

 対談の中で坂元は、角田と会った時に、間違って(他のメンバーの)豊本明長の名前を二度ほど呼んでしまったのだが、角田はすぐには訂正しないで普通に話しながら、その途中で「僕、角田って言うんですけど…」と話しの合間に修正してくれたのが東京03のコントみたいだったと語っている。その話を聞いた豊本は「そういう部分を嫌味なく笑いに変えられる人」だと角田を評した後、「カッコつけしいでナルシスト」で、芸人っぽくなく根がアーティストだと語っているのだが、このイメージはそのまま鹿太郎にも当てはまるように感じた。

 その後、鹿太郎は美怜に呼び出され、(鹿太郎と)不倫相手の容姿が似ているので、彼の身代わりになってほしいと頼まれる。他の元夫たちも女性関係が大きく動き始めており、来週は一波乱ありそうだ。 

■成馬零一
76年生まれ。ライター、ドラマ評論家。ドラマ評を中心に雑誌、ウェブ等で幅広く執筆。単著に『TVドラマは、ジャニーズものだけ見ろ!』(宝島社新書)、『キャラクタードラマの誕生:テレビドラマを更新する6人の脚本家』(河出書房新社)がある。

■放送情報
『大豆田とわ子と三人の元夫』
カンテレ・フジテレビ系にて、毎週火曜21:00〜放送
出演:松たか子、岡田将生、角田晃広(東京03)、松田龍平、市川実日子、高橋メアリージュン、弓削智久、平埜生成、穂志もえか、楽駆、豊嶋花、石橋静河、石橋菜津美、瀧内公美、近藤芳正、岩松了ほか
脚本:坂元裕二
演出:中江和仁、池田千尋、瀧悠輔
プロデュース:佐野亜裕美
音楽:坂東祐大
制作協力:カズモ
制作著作:カンテレ
(c)カンテレ
公式サイト:https://www.ktv.jp/mameo/
公式Twitter:@omamedatowako

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