東京03 角田晃広、喜劇俳優としての才能を発揮 『これは経費』『いだてん』で見せる“破壊力”

 最近の芸人は、演技がうまい人が多い印象が強い。映画『おいしい家族』で主人公の父親役をつとめた板尾創路、NHK朝の連続テレビ小説『ごちそうさん』で父親役を好演した原田泰造、『あさが来た』(NHK総合)に出演した友近など、ドラマや映画に欠かせない存在である。特に漫才ではなく、コントを得意とする芸人は普段からシチュエーションコメディを演じているためか、ちょっとした間の取り方が絶妙で、すこしの出番でも色濃い印象を残す。『LIFE!~人生に捧げるコント~』(NHK総合)でもおなじみの田中直樹や塚地武雅をはじめ、私的芸人俳優ナンバーワンのアンジャッシュの児嶋など、皆作品に重宝されている。

 そんな中で、最近異彩を放つ存在がいる。それが、コントトリオ・東京03の角ちゃんこと角田晃広だ。『花咲舞が黙ってない』『もみ消して冬〜わが家の問題なかったことに〜』(いずれも日本テレビ系)をはじめ、今年4月には主演ドラマ『遊戯みたいにいかない。』(日本テレビ系/Hulu)が放送されるなど、着実に出演を増やしている。NHK朝の連続テレビ小説『半分、青い。』では主人公の親友が弱っているところにつけこむオヤジという特異なキャラクターで、一瞬の出演にも関わらず強い印象を残した。

 そして、注目が集まったのは7月クールで放送された『これは経費で落ちません!』(NHK総合)の営業部長・吉村晃広役だろう。どんな細かい経理の不正も見逃さない主人公が在籍する経理部と相対する、営業部の部長という役どころ。正義感の強い主人公に対して、営業が会社の稼ぎ頭だと豪語し、細かい経理伝票をチェックせずにどんどん印鑑を押してしまう横柄な部長役がなんともうまかった。

 特に、経理部部長である吹越満との掛け合いは東京03のコントさながら。そこに総務部部長役のモロ師岡が入るのだから、豪華なコメディアンの競演を垣間見ることができた。角田の演技は、いい意味でシリアスな緊張感やジーンとしてしまう感動を壊す“破壊力”があった。角田の重厚すぎるコミカル感によって、一気に周りを自分の世界に引きずり込んでしまう。最終話の沖縄支店に左遷されるシーンでは、地味に肌が焼けていて、ちょっと下手な沖縄弁など細かいところまで手が込んでいてくすっと笑えた。

 洗練された演技力の高さやキャラクターのふり幅などが評価されている芸人が多い中で、角田の場合は本人のキャラクターにハマるおいしい役どころをもらえていると思う。役をもらえているのは、それだけ作品に欠かせない存在、という事実でもある。もちろん演技もうまいのだが、圧倒的にコメディ要素が強く、最近いなかった喜劇役者としての才能を感じるのだ。一部では、角田を芸人と知らず役者として見惚れていた視聴者もいたようだ。

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