『大豆田とわ子と三人の元夫』は全く先が読めない? 印象に残る伊藤沙莉のナレーションも

『大豆田とわ子と三人の元夫』先が読めない?

 フジテレビ系火曜夜21時放送のカンテレ枠(関西テレビ放送)で新しくはじまった『大豆田とわ子と三人の元夫』は、建設会社「しろくまハウジング」の新社長・大豆田とわ子(松たか子)と、三人の元夫の関係を描いた連続ドラマだ。

 大豆田とわ子の最初の元夫は東京・奥渋谷にあるレストラン「オペレッタ」のオーナー兼ギャルソンの田中八作(松田龍平)、2番目の元夫はファッションカメラマンの佐藤鹿太郎(角田晃広・東京03)、3番目の元夫が大豆田とわ子の会社の顧問弁護士・中村慎森(岡田将生)。

 建築会社の新社長として働きながら、中学3年生の娘・唄(豊嶋花)と暮らしていた大豆田とわ子は、亡くなった母のパソコンを開こうとしたらパスワード(最初に飼ったペットの名前)が設定されていることに気づく。母が好みのお墓を建てるためには、生前に業者とやりとりしていたメールを見ないとわからない。

 元夫の誰かが設定したと思った大豆田とわ子は、三人の元夫に会いにいくのだが、八作の家に泊まったことをきっかけに、元夫三人が一同に介し、彼女をめぐって「三人の元夫会議」をはじめてしまう。

 脚本は坂元裕ニ。主演は松たか子。プロデューサーは佐野亜裕美。3人が手掛けた『カルテット』(TBS系)のようなドラマになるかと思っていたのだが、作品の印象は、やや異なる。

 印象に残るのは「これ、靴を脱がずに歩いている大豆田とわ子」と名前を強調するナレーション。アニメ『映像研には手を出すな!』で演じた浅草みどりの声優が好評だった伊藤沙莉が担当している。独自のハスキーボイスと少し早口に聞こえるナレーションは大豆田とわ子を、突き離した目線で観察しているかのようだ。

 序盤は、大豆田とわ子という少し変わったところのある女性の日常が描写され、「大豆田とわ子」で終わるナレーションが細かく挟まる。まるで、昔のサイレント映画に対し活動弁士が解説を入れているようだ。

 何より大豆田とわ子(おおまめだとわこ)という語感が心地よい。もしかしたら、発声して気持ちのいい名前を逆算して考えたのかもしれない。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる