上田竜也、『ネメシス』登場で櫻井翔をサポート 第2話は探偵ドラマらしさ全開のエピソード

『ネメシス』第2話は探偵ドラマらしさ全開

 ドラマや映画の影響もあって「探偵」という職業はすっかり殺人事件の犯人探しをするイメージがついて回りがちだが、その実際の業務の大部分は浮気調査か人探しだそうだ。それを踏まえると、前回描かれたような「大富豪の家で起きる密室殺人事件」というのは“探偵ドラマ”の導入として正しくもあるが、今回のような依頼のほうが格段にリアリティがあって作品の持つユニークさは際立つものだ。4月18日に放送された日曜ドラマ『ネメシス』(日本テレビ系)第2話は、人探しという一見地味な依頼から巧妙にドラマを派生させていくスキルが発揮されたエピソードといえよう。

 “磯子のドンファン”の事件によって依頼が舞い込むようになった探偵事務所ネメシスに、1週間前から音信普通になった兄を探してほしいと中学生の節子(田牧そら)がやってくる。金になりそうもない依頼だが即座に引き受ける栗田(江口洋介)は、風真(櫻井翔)とアンナ(広瀬すず)とともに節子と兄の樹(窪塚愛流)が育った児童養護施設を訪れることに。そして足取りをたどっていくなかで樹が出入りしていたクラブを訪れた風真とアンナは、樹が振り込め詐欺を行う半グレ集団と関わっていたことを知るのである。

 ほぼ同じ建物内という密室空間ですべてが展開した前回とは打って変わり、今回は聞き込みなどの探偵らしい仕事ぶりに“新たな仲間”の参加と、ドラマとしての拡がりがたしかに見受けられた。前回のエピソードで依頼人として登場した黄以子(大島優子)がアンナたちを手助けしに登場し、そのスピード狂という設定が活かされることになったのはもちろん、風真が懇意にしている“道具屋”の星憲章(上田竜也)の登場はとくに見逃せないポイントだ。

 星の隠れ家がある場所は、横浜屈指のディープタウンである黄金町に実在する映画館「ジャック&ベティ」の地下。この映画館の正面に16年ほど前まで存在した「横浜日劇」という映画館の2階は、『私立探偵濱マイク』シリーズで永瀬正敏演じる主人公の濱マイクが事務所を構えていた場所であり、これはやはり横浜を舞台にした探偵モノの大先輩へのオマージュと思わずにはいられない(終盤で風真とアンナが「ジャック&ベティ」の階段を登っているシーンで、背後に掲げられた「横浜日劇」の写真も写り込む)。そういえば『私立探偵濱マイク』の映画シリーズに登場した情報屋の名前は「星野」だったし、星は“道具屋”という肩書きでありながらも情報屋としての役割を発揮していく。こうして少しずつネメシスの仲間が増えていくという公算か。

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