豊川悦司、秋風羽織に続き曲者役で登場! 『ウチカレ』空が知った2人の母の愛

『ウチカレ』空が知った2人の母の愛

 空(浜辺美波)は碧(菅野美穂)の実の娘ではないということがはっきりとした『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』(日本テレビ系)第6話終了後から、この第7話放送開始までの間で2つのニュースが発表された。

 それが、空の実の父に当たる一ノ瀬風雅を豊川悦司が、そして実の母親であり一ノ瀬の元恋人・星野鈴を矢田亜希子が演じることである。豊川と菅野美穂は16年ぶり、豊川と矢田は本作の脚本を手がける北川悦吏子のドラマ『愛していると言ってくれ』(TBS系)以来、26年ぶりの共演(矢田は豊川の妹役)と、まさに北川作品だからこそ実現できたキャスティングと言っても過言ではない。

 さらに、北川の脚本作品で豊川と言えば『半分、青い。』(NHK総合)で演じた強烈なキャラクター性を持つ漫画家・秋風羽織。傲慢で傍若無人な性格、漫画への情熱と仕事に対する真摯な姿勢、弟子たちへの深い愛情が多くの視聴者の心を掴み単行本『秋風羽織の教え 人生は半分、青い。』(マガジンハウス)まで発売された人気キャラクターだ。豊川は北川悦吏子作品の印象について、「本当に毎回毎回お題が難しい(笑)。今回の一ノ瀬風雅という役も難解です」とコメントしている(参照:豊川悦司、『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』出演決定 浜辺美波演じる空の実の父親に)。その言葉が示す通りに、一ノ瀬もなかなかのクセ者だ。

 初登場シーンは、とある島の海辺で流木を担ぐ姿。流木に腰を下ろし、海を眺めながらワイルドにおにぎりをがぶりと頬張る。そんな一ノ瀬にたまたま出会ったのが、ダイビング終わりの渉(東啓介)。売り物にすると分かっていれば不自然さは消えるが、その流木の巨大さに、一目見ただけでは完全に不審者である。一ノ瀬は砂浜にゴロンと仰向けになり、「日が暮れる前に空の写真です」と穏やかな空の写真をカメラで収める。続けて「空は毎日変わります。まるで私たちの心のように」と話しながら。

 時を同じくして、碧の口から明らかになるのが空の出生の秘密だ。下北沢の駅近劇場、客は3人。そんな売れない劇団の俳優・一ノ瀬風雅の芝居に碧は何度も通っていた。運命の出会いと信じてやまない碧は恋に落ちた。1週間経った頃、一ノ瀬は碧の前から姿を消す。居場所を突き止めた碧は家のチャイムを鳴らすが、出てきたのは彼の子を身籠った鈴だった。

 心臓に持病があり無理をした出産の末、鈴は自分の命を代わりにして空を産んだ。一ノ瀬と同じ劇団の女優だった鈴は決して頑張るタイプでも野心家でもない。女遊びの激しいクズでも、好きになった男の子供を産みたい。そんな時、鈴にどんなことがあっても、代わりに子供を育てると約束したのが、同じクズを好きになった運命共同体・碧だった。「幸せになるためにこの世に生まれて来る!」。碧の励ましの言葉に、鈴の表情はだんだんと希望に満ちていく。出産した早朝、カーテンを開け澄み切った空の青に、碧と鈴は「空……」と一言。運命共同体の2人が命名した瞬間だ

 亡くなった鈴の写真から、初めて実の母親の存在を実感する空。初めはその壮絶なエピソードに、現実を受け止められなかった空だが、徐々に心を許して行ったのは光(岡田健史)やサリー(福原遥)の支えがあったからだ。「私、かーちゃんの娘じゃないの?」というセリフで終わった前回だったが、第7話のラストでは空が碧に寄り添いながらお礼を言う。23歳という若さで覚悟と決心、多大なる愛を持って自分を育ててくれたことを。そして、手元の写真の鈴には命をかけて自分を産んでくれたことを。

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