『ウチカレ』イケメン整体師役で話題沸騰! 演劇界で培われた東啓介の繊細な表現力

『ウチカレ』東啓介、演劇界で培われた表現

 新ドラマ『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』(日本テレビ系、以下『ウチカレ』)に出演しているイケメン整体師・渉周一役の東啓介が話題を呼んでいる。

 『ウチカレ』は、小説家・水無瀬碧(菅野美穂)とその娘・水無瀬空(浜辺美波)によるエキサイティング・ラブストーリー。転んでしまった空を助け、彼女がときめいたシーンでは素性は明かされなかったが、四十肩に悩まされた碧が駆け込んだ整体院にて再度登場した際に整体師であることが判明したのが、東啓介演じる渉周一だ。

 第1話は、空の運命の相手・周一に碧も別の場面で惹かれ、ふたりの“恋の闘い”が始まりそうな伏線を張った状態で幕を閉じた。親子が同じ人を好きになり、三角関係に……という波乱の幕開けに、SNSでは「親子揃ってイケメン整体師にときめいている!」「どうなるの?」という声が集まっており、視聴者の今後のストーリーへの期待が高まっていることを感じさせられた。

 東啓介は、187cmの高身長とその存在感はもちろん、圧倒的な歌唱力と演技力でも安定感のある、今注目すべき役者だ。“とんちゃん”の愛称で親しまれている東は、2013年にミュージカル『テニスの王子様』(以下、テニミュ)2ndシーズンにて千歳千里役としてデビューを果たした。

 テニミュは、許斐剛による同名コミックが原作で、ビジュアルの完成度やテニスボールの動きをライトで使って表現しているところなど、舞台ならではのこだわりがファンを惹きつけて離さない。アニメや漫画を原作とした「2.5次元舞台」の先駆けであり、若手俳優の登竜門とも呼ばれているテニミュは、城田優や志尊淳なども輩出している。テニミュを経て舞台やドラマと活動の幅を広げる役者は多い。

 東は、テニミュ出演後にはミュージカル『薄桜鬼』シリーズ、舞台『刀剣乱舞』シリーズなど数々の2.5次元舞台に出演しながら「帝国劇場に立つ」という目標のもと努力を重ね、24歳にしてミュージカル『ダンス・オブ・ヴァンパイア』へ出演し、その夢を叶えた。

 主演作『Color of Life』(2019年)の役作りのためにニューヨークへ渡り、本場のミュージカルを観劇したり、ボイストレーニングに通ったりと、さまざまな作品に“触れる”ことだけではなく、“実践”という形でトレーニングをする努力を怠らないストイックさが魅力だ。演劇への愛を胸に、着実にキャリアを積み重ねている。

 現在「2.5次元」という言葉は劇場を飛び出し、地上波でも目にすることが増えた。『ネプリーグ』(フジテレビ系)では2.5次元俳優チームが注目を浴びたり、2.5次元俳優が集結したテレビ演劇『サクセス荘』(テレビ東京系)が放送されたりと、少しずつお茶の間に浸透しつつある。テニミュに城田優や志尊淳が出演していたときよりも2.5次元舞台が多く上演されている現在、「2.5次元俳優」という肩書きで呼ばれる役者も増えた。

 ここ数年では、そんな2.5次元俳優が「2.5次元」という看板を一度置き、テレビや映画に出演する流れも起きている。最近では、東と同時期にテニミュで活躍した味方良介が『教場』(フジテレビ系)に出演。木村拓哉との掛け合いでは緊張感を与える芝居が話題を呼んだ。味方は『教場』以降、舞台活動を主軸におきながら映像作品への出演機会も増やしつつある。

 2.5次元舞台の知名度も上がり、次のステージへと進む役者も増えている……。これはいい変化だろう。

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