綾瀬はるかと高橋一生の剣を交えるような緊張感 『天国と地獄』ポイントは「善と悪」?

綾瀬はるかと高橋一生の剣を交えるような緊張感 『天国と地獄』ポイントは「善と悪」?

 綾瀬はるか主演の日曜劇場『天国と地獄 〜サイコな2人〜』(TBS系)が、1月17日よりスタートする。

 綾瀬が演じるのは、警視庁捜査一課の刑事・望月彩子。刑事役は、綾瀬にとって初の試みとなる。だが、ただの刑事ドラマではなく、その先にまっているのは高橋一生演じるサイコパス殺人鬼・日高陽斗との魂の入れ替わりだった……。

 物語の中では、奄美大島群の喜界島に語り継がれてきた「月と太陽の伝説」が語られる。
ある夜、太陽と月は次のような約束をした。「どちらかの腹の上に、“シヤカナローの花“が先に咲いたほうが昼の太陽になる。咲かなかったほうは、夜の月になる」と。

 すると、月の腹の上に“シヤカナローの花“が咲く。しかし「自分が昼の太陽」になりたかった太陽は、月よりも先に目が覚めると“シヤカナローの花“を月に気づかれないようにこっそりと自分の腹の上に植え替えてしまう。

 そこから太陽は昼に、そして月は夜に出ることになった。

 ところが、太陽はしてはいけないことをしてしまったため、誰もまともに見ることができなくなってしまった。一方、月は誰もがいつまでもずっとその姿を見ていられる姿をしているのだ。

 望月彩子と日高陽斗。2人の名前にも通じる「月と太陽の伝説」のごとく、本来「刑事」である彩子は「殺人鬼」に、そして「殺人鬼」の日高は「刑事」に。その立場が逆転することから始まるサイコサスペンスだ。

 この一見すると現実離れした状況に説得力を持たせているのが、言わずもがな綾瀬はるかと高橋一生の演技力。作中では彩子と日高の性格は、とことん真逆に描かれている。

 彩子の性格は元来「〜べき」論で動く、融通が利かない堅物タイプ。ルールに背くことは許せないという思いから、利権などを無視して突っ走ってしまうところもあり、問題が起きすこともしばしば。周囲からも煙たがられており、なんとかその状況を打破したいと「手柄」を立てるということに夢中になっていく。

 一方で、日高はシリアルキラーである顔を隠しながら、化学者としての知識を活かしてベンチャー企業を設立。敏腕社長としても才覚を発揮している。仮にトラブルに直面したとしても慌てずにのらりくらりと交わしながら、角を立てずに解決していく。その柔らかな物腰で、周囲の人間からの信頼も厚い。

 走る彩子と歩く日高。慌て驚く彩子と余裕の笑みをこぼす日高。相反する性格と背景を持つ2人が入れ替わったとき、綾瀬と高橋は単なる“男っぽい“”女っぽい“という表面的な仕草や言い回しだけではなく、その息遣い、眼差し、姿勢……と全て入れ替わっていることを示す演技をしてくれる。

 例えば、発声。彩子を演じる綾瀬と高橋は、声を上ずらせ息を前に投げるように話すのに対して、日高を演じる綾瀬と高橋は息をそっと足元に置くように言葉を発するのだ。高橋の声を通じて、綾瀬が演じた彩子の思考が聞こえてくるかのような錯覚を覚えるのは、スイッチエンターテインメントの醍醐味そのものといえる。

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