“東宝シンデレラ”屈指の才能・福本莉子、最強だった森七菜 2020年に輝いたヒロインたち

福本莉子、森七菜ら2020年ヒロインを考える

 そして上半期の作品からは、フジテレビ系ドラマ『アライブ がん専門医のカルテ』や今泉力哉監督の『mellow』でのヒロイン役で安心感のある魅力を放った岡崎紗絵。下半期の作品からは『SUITS/スーツ2』(フジテレビ系)と『危険なビーナス』(TBS系)で、どちらも主人公を精神的に支えるポジションとして物語の方向性を決める重要な役割を果たした中村アンを挙げたい。2人ともモデルとしての活動を経て女優として本格的に活動をはじめてから数年。様々なドラマや映画に出演してきたわけだが、ここにきて一気に開花した印象だ。

『mellow』(c)2020「mellow」製作委員会

 また、テレビ画面に映るたびに時の流れる速さを感じてしまうほどの急成長を遂げた芦田愛菜の活躍ぶりにも触れておきたい。子役時代の活躍ぶりは言わずもがなではあるが、2020年には今村夏子原作の『星の子』で極めて難しいタイプの主人公を演じ抜き、そのポテンシャルの高さを改めて証明してくれた。年末からはNHKの大河ドラマ『麒麟がくる』への出演や、昨年の『海獣の子供』につづいて声優を務める『えんとつ町のプペル』も公開。「マルマルモリモリ」と歌っていた頃から早9年、『明日、ママがいない』から6年で、“国民的子役”が確実に“国民的女優”になろうとしているようだ。

 ほかにも『のぼる小寺さん』の工藤遥、『アルプススタンドのはしの方』の小野莉奈、『ビューティフルドリーマー』の小川紗良と、将来性抜群の女優たちが実力ある監督たちの手がける青春映画で存在感を示していたのはとても印象深い。そしてもちろん、昨年からブレイク街道をひたすら突っ走っている森七菜も『ラストレター』からNHK連続テレビ小説『エール』、『この恋あたためますか』(TBS系)に至るまで、今年もただただ最強であった。2021年には映画界もドラマ界も活気を取り戻し、ここに挙げた8人以外にも期待の若手女優たちが続々活躍してくれることを楽しみにしておきたい。

■久保田和馬
1989年生まれ。映画ライター/評論・研究。好きな映画監督はアラン・レネ、ロベール・ブレッソンなど。Twitter

■リリース情報
『思い、思われ、ふり、ふられ』
2021年1月20日(水)Blu-ray&DVD 発売
2020年12月23日(水)Blu-ray&DVDレンタル開始
Blu-ray スペシャル・エディション(特典Blu-ray付2枚組)TBR31064D ¥6,800+税
DVD スペシャル・エディション(特典DVD付2枚組)TDV31065D ¥5,800+税
(c)2020「思い、思われ、ふり、ふられ」製作委員会(c)咲坂伊緒/集英社
発売・販売元:東宝株式会社

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