劇団EXILE 秋山真太郎、リーダーとして後輩たちの規範に 脚本家・作家としても光る構成力

秋山真太郎、脚本家・作家としても光る構成力

 ドラマ、映画、CM、舞台と幅広いステージで活躍を続けている劇団EXILE。本稿では、劇団EXILEのメンバー一人ひとりのフィルモグラフィをたどりながらその魅力を分析。第3回目は、劇団EXILEのリーダー、秋山真太郎について紹介していく。(編集部)

 劇団EXILEの最年長でリーダーの秋山真太郎は、雑誌モデルをしていたときに演技に興味を持ち、知人に誘われてLDHに所属することになった。2007年の劇団EXILEの旗揚げ公演『太陽に灼かれて』から参加し、2009年に正式にメンバー入りする。当時は劇団EXILEではなく劇団EXILESという名称で、華組や風組というものもあったが、そんな初期から劇団を見守り、発展のために尽力してきた。

 劇団内での役割としては、個性豊かなメンバーのまとめ役と言っていいだろう。劇団EXILE全員での舞台『勇者のために鐘は鳴る』のブリーフィングでも、メンバーで脚本会議をして、それを最初のうちはまとめる役をやっていたということだ。『勇者のために鐘は鳴る』という舞台がどんなものになるのか、まだ見えない時期にインタビューを行ったことがあった。好き勝手に思いついたことを楽しそうに喋る劇団メンバーの話を、おだやかな顔で聞く秋山の姿を見て、脚本会議の様子が見えるような気がしたものだった。

 いよいよ公演を迎えた『勇者のために鐘は鳴る』の中で、秋山は娘との関係が上手くいってない悩みを抱えたサラリーマンのY崎役を演じた。また、劇中、Y崎が、SWAY演じる忍者のキャラクター・半蔵とともに狩人の『あずさ2号』を歌う場面は、観終わったあとにも記憶に残るシーンとなった。Y崎は見た目にも内面的にも、一番“普通”を感じさせるキャラクターであったが、秋山自身も、Y崎のことを「けっこう日本人なら誰しもが持っている要素のあるキャラクターだと思います。例えば、『右に倣え』だったり、皆と同じものが良かったり。調和を重んじるのが日本人じゃないですか。故に抜け出すことに自信を持てない。そんな全世代に共通するような要素を持ち合わせた役です」(参照:【秋山真太郎】 劇団EXILE舞台『勇者のために鐘は鳴る』 特別インタビュー | FAST)と語っていて納得した。

 一方、『HiGH&LOW』シリーズでは、コワモテの「DOUBT」の高野真人役を演じている。高野はスカウトマンの役ということで、実際のスカウトマンに話を聞いたり、スカウトをしている人を人間観察するなど、役作りをして臨んだという。また、高野のスキンヘッドは、実際に髪の毛を剃って挑んだ。先述のY崎とは正反対の、普通な部分がまったくない役にも説得力があった。

 近年は、俳優だけでなく、多様な分野の仕事にも挑戦している。劇団EXILE全員で出演した映画『jam』でも、アソシエイトプロデューサーにクレジットされているほか、2019年公開、TAKAHIRO単独初主演映画『僕に、会いたかった』でも、プロデューサー兼共同脚本として関わった。また俳優としても、『僕に、会いたかった』では、TAKAHIRO演じる記憶を失った元漁師の主人公を支える島の高校教師役を演じている。秋山曰く、こうしたプロデューサーをするようになったのは「ジャンルにとらわれずに自分のやりたいこと、できることをどんどん形にしていこうと思ったからです」と語っている(参照:リアルサウンド映画部「劇団EXILE 秋山真太郎が語る、俳優として小説を書く意味 「海外では俳優もクリエイティブ」」)。

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