『共演NG』の中井貴一を魅力的だと認めずにはいられない 優柔不断を突き詰めた包容力

『共演NG』の中井貴一を魅力的だと認めずにはいられない 優柔不断を突き詰めた包容力

 秋元康×大根仁×中井貴一×鈴木京香によるドラマ『共演NG』(テレビ東京系)が、12月7日に最終回を迎える。

 過去に付き合っていた実力派大物俳優・遠山英二(中井貴一)と、人気女優・大園瞳(鈴木京香)が、テレビ東洋の新ドラマ『殺したいほど愛してる』で25年ぶりの共演を果たすところから始まった同ドラマ。様々な「共演NGアベンジャーズ」が集結、当初はギスギスしていた現場が、斎藤工扮するショーランナー・市原の企みなどにより、様々な困難を乗り越え、いつしか良いチームとなっていった。

 タブーとされる「業界あるある」が多数散りばめられた意欲作だが、途中からはそうした小ネタよりも真ん中で太く描かれる「恋愛」や「人間ドラマ」に普通に見入ってしまった。

 その吸引力は、なんといっても、事なかれ主義で優柔不断で頼りなく見え、肝心なところでは正義感や頼もしさを時折見せる中井貴一の魅力にあるだろう。

 見た瞬間に「キャー! 中井貴一、かっこいい!」と思う人は正直、そう多くないだろう。観るたびに「なんだよ、ミキプルーンのくせに」と思うし、優柔不断で、臆病でちょっとズルく見えるし、ちょっとマヌケな感じもあるし、マイナス要素は多いはずなのに。にもかかわらず、どんな作品・どんな役でも、出てくるとなんだか引っかかり、じわじわと気になって仕方なくなる。いったい何なのか。

 思えば、彼が一躍人気者になった作品『ふぞろいの林檎たち』(1983年、TBS系)の頃から、引っかかってはいた。ただし、当時10歳だった自分にとっては「なんでこの人、人気なの?」というのが最大の疑問で、父親の受け売りで「お父さんの佐田啓二は絶世の美男子だったのに」などと言ってみたりした(ロクに作品も知らなかったくせに。ああ、恥ずかしい……)。

 そうした感想は小学生時代からかなり長いこと続くのだが、自分の中で急に大きく印象を変えたのが小泉今日子との『最後から二番目の恋』(2012年、フジテレビ系)からだった。

 職場では姉御肌でありつつ、友人の前では毒舌、恋愛に関しては寂しがり屋で甘え下手で素直になれない、負けず嫌いのヤンキー体質の千明(小泉今日子)。それに対して、中井貴一が演じたのは、職場では真面目で誠実、家族には説教臭く、その実、悲観主義者でコンプレックスの塊でムッツリスケベのロマンチスト・和平だ。

 もう一度言う。「ムッツリスケベのロマンチスト」だ。それだけですでに中井貴一の魅力が十分に伝わるのではないか。

 顔を合わせるたびに口喧嘩になる二人のやりとりは、互いに心底楽しそうで、まさにベストパートナーに見えた。人前では他人行儀なのに、口論になると「あなたね」と感情的になるところも、器が小さく、こまごましたことを気にするところも、なんだかちょっとオバサンくさいところも、結局まるごと魅力のような気がしてきてしまったのだ。

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