『仮面ライダー』トレンド入りにジェームズ・ガンも大喜び 海外での特撮人気とその影響を探る

 先日、ジェームズ・ガン監督のTwitterがちょっとした話題になりました。「I love that #KamenRider is trending. 」(仮面ライダーがトレンド入りして嬉しいという主旨)と語り、さらにこれに対するファンからのコメントを受け「No, I don't like Kamen Rider. I love Kamen Rider.(仮面ライダーが好きかって? 好きどころじゃない、愛しているんだ)」とまで言ったわけです。

 ことの発端は、TokuSHOUTsuという日本の特撮ヒーローものを英語字幕付きで米国内に配信する動画サービスが立ち上がり、その一環で7月16日に『平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER』が配信されることが理由。このニュースを聞いたアメリカの仮面ライダーファンが大いに盛り上がり、#KamenRiderがトレンド入り。それにジェームズ・ガン監督が参加したようです。

Kamen Rider (1971) Clip: 1971 Pilot Snippet (HD)

 ジェームズ・ガン監督と言えば、マーベルの『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』2作、いまDCの『ザ・スーサイド・スクワッド』を手がけているわけで、いまやアメコミ映画ファンにとっても大人気の監督ですが、その彼が“仮面ライダーを愛している”と言ってくれたことで、日本の特撮ファン、仮面ライダー好きも狂喜したわけです。かくいう僕も仮面ライダー好きなのでちょっと誇らしく思いました(笑)。その一方、ちょっとびっくりしたのは、ジェームズ・ガン監督が仮面ライダーを知っていた、好きだったということです。

 日本発の特撮コンテンツでアメリカで人気と言われていたのはまずはゴジラ。ゴジラを含む東宝の特撮怪獣映画はアメリカの劇場で公開され、アメリカでも人気に。この余波を受け『ガメラ』(大映)や『大巨獣ガッパ』(日活)などもアメリカのTV局のコンテンツとして買い上げられ、放送されました。後にゴジラはアメコミ化、アニメ化、ハリウッドリメイクされているし、ガメラもアメコミ化、アクションフィギュア化されています。

 『人造人間キカイダー』がハワイでは“キカイダーの日”が作られるぐらい人気だったというのも有名。このキカイダーの成功を受け、日本の特撮ヒーローもののいくつかがハワイでは放送されていたそうです。ウルトラマンは1966年の『ウルトラマン』がアメリカのローカル局で放送されたことがあり、それが証拠にダスティン・ホフマンが出演した『真夜中のカーボーイ』(1969年)の中には、ホテルの中のTVで『ウルトラマン』のスカイドンが火を吐く場面が映るシーンがあります。その後、アニメの『ウルトラマンUSA』『ウルトラマンパワード』とアメリカ版があって、最近ではマーベルからアメコミ化されることが発表されたのでそれなりに知名度はあると思います。特撮ではなくアニメであれば古くは『鉄腕アトム』(英題:Astroboy)があり、『科学忍者隊ガッチャマン』(英題:Battle Of The Planets)、『超時空要塞マクロス』『超時空騎団サザンクロス』『機甲創世記モスピーダ』3作を再編集した『Robotech(原題)』などがあるのですが、正直“仮面ライダー”がアメリカでブレイクしたとは聞いたことがありませんでした。

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