マイケル・キートン登場、スパイダーマンが“人殺し”……? 『モービウス』予告編の謎が意味すること

マイケル・キートン登場、スパイダーマンが“人殺し”……? 『モービウス』予告編の謎が意味すること

 先日解禁になった映画『モービウス』の予告編がアメコミ映画ファンの中でちょっとした“事件”になりました。一時、ツイッターのトレンドでも“モービウス”という言葉が上位にくるぐらいでした。一体、この予告編のなにがこれだけの騒ぎを巻き起こしたのでしょうか?

映画『モービウス』予告1 2020年全国ロードショー #モービウス

 まずアメコミについてそんなに詳しくないという方が『モービウス』の予告編を見たら、普通に面白そうと思うでしょう。ちょっと不気味な怪人が登場するホラー映画かなと。主演は日本でもファンの多いジャレッド・レト。このモービウスはスパイダーマンのコミックに登場するヴィランであり、彼を主人公にした映画なのです。スパイダーマンのコミックには1971年に登場。ある天才科学者が自身の治療のために吸血コウモリをベースにした特殊な血清を使ったら、その副作用で吸血鬼のような怪人になってしまったという設定。つまり科学が生んだヴァンパイアなのです。予告編がホラーっぽいのはそのため。血を求めて人を襲うわけですが、根っからの極悪人というわけでもない。したがってモービウスはある種のダーク・ヒーローとしても活躍するわけです。モービウスがスパイダーマン世界の住人である以上、本作はスパイダーマン系の映画というわけですが、実はスパイダーマンというのはアメコミ映画ビジネスにおいて非常にややこしいコンテンツなのですね。

『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(c)2019 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved. | MARVEL and all related character names: (c) & TM 2019 MARVEL

 これをまず整理すると

・まずスパイダーマンは、アベンジャーズやアイアンマンと同じマーベル・コミックのキャラ。したがってコミックの方ではスパイダーマンとアベンジャーズは共演しているし、モービウスとドクター・ストレンジが戦ったこともあります。

・ところがスパイダーマンの映画化権はマーベルがディズニー傘下になる前にソニー・ピクチャーズに渡していました。なのでソニー主導のスパイダーマン映画とディズニーによる、アベンジャーズを核としたマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)は互いに混じることなかったのです。

・しかし、やはりスパイダーマンとアベンジャーズが映画でも共演するところを観たいとファンは思うわけで、ここでソニーとディズニーが話し合い、スパイダーマンはソニー映画に“籍”をおいたまま、MCUにも出られるようになりました。

・具体的には2002年からのトビー・マグワイヤ主演のスパイダーマン3作、2012年からのアンドリュー・ガーフィールド主演のアメイジング・スパイダーマン2作は“MCUとは関係ないスパイダーマン映画”でしたが、トム・ホランドが演じるスパイダーマン映画はMCUの中のお話と位置付けられ、また『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』『アベンジャーズ/エンドゲーム』等のMCU映画にスパイダーマンはヒーローの一人として参加しているわけです。

『ヴェノム』(c)&TM 2018 MARVEL

・しかしながらソニーは、MCUに頼らずスパイダーマンの映画を作る権利は相変わらず持っているし、またスパイダーマンのコミックに紐づくキャラの映画化権も有しています。この権利を使って作ったのがアニメ映画『スパイダーマン:スパイダーバース』であり、スパイダーマンのライバルともいうべきヴィランを主人公にした『ヴェノム』です。両作とも“MCUではない”世界観の映画です。

・ここでさらにややこしい事態が起こります。昨年夏、ソニーとディズニーの間で今後のスパイダーマンのあり方について行き違いが生じ、ソニーはMCUからスパイダーマンを引き上げるとしたのです。

・ソニーは自社が映画化権を保有するスパイダーマン系のキャラを軸とした、ソニー版マーベル・ユニバースを作ることを考えます。『ヴェノム』はまさにその先駆けとなる作品になりました。

・しかし最終的にソニーとディズニーは再び手を結ぶことになりました。しかもトム・ホランドのスパイダーマンは「MCUの住人」でもあるし「ソニー版マーベル・ユニバースの作品にも出られる」ということになったそうなのです。

 さて、ここからやっと本題です(笑)。

 というわけで『モービウス』は『ヴェノム』に続く、“MCUとはリンクしない、ソニー版マーベル・ユニバース”の作品になると言われていました。ところがです! この『モービウス』には、そうしたファンの憶測を超えるサプライズが2つあったのです。

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