『仮面ライダー』トレンド入りにジェームズ・ガンも大喜び 海外での特撮人気とその影響を探る

 むしろ仮面ライダーと同じ東映特撮ヒーローもので、アメリカで大ヒットになったのは“スーパー戦隊”でした。これについてまず説明すると、日本では1992年に放送されたスーパー戦隊『恐竜戦隊ジュウレンジャー』が、1993年に『Mighty Morphin Power Rangers』として全米で放送され大成功を収めます。日本での番組がそのまま放送されるのではなく、戦闘・特撮シーンは日本のものを流用しドラマ部分をアメリカの俳優で新撮という加工がなされ、日本とは別物の内容でオンエアされました。以後、日本のスーパー戦隊は『パワーレンジャー』シリーズとして毎年毎年、この“加工”をされて順次全米で放送されていきます。

 ここでちょっと面白い話があるのですが、日本を代表するアクション映画の監督の一人で、アメリカでのパワーレンジャーにも関わっていた坂本浩一監督によると、アメリカ人のスタッフは戦隊のヒーローたちが「〜〜レンジャー!」と名乗るシーンが理解できなかったそうです。「あんなことやっている間に敵が襲いかかってきたらどうするんだ」と(笑)。

 といくつかのカルチャーギャップはあったものの、“スーパー戦隊→パワーレンジャー”の変換は大成功。それに続けと、今度は仮面ライダーの全米への輸出が始まります。日本では1988年に放送された『仮面ライダーBLACK RX』がパワーレンジャーと同様の手法で“加工”され『マスクド・ライダー』のタイトルで1995年に放送されます。この7年のブランクはなぜかというと毎年作られるスーパー戦隊と違って、仮面ライダーは1988年の『仮面ライダーBLACK RX』を最後に10年ほど新しいTVドラマシリーズが作られていなかったからなんですね。

 『マスクド・ライダー』は当初はそれなりに人気が出たものの、『パワーレンジャー』ほどのヒット作にならず1年ほどで撤退したそうです。それから10年して2009年、日本では2002年に放送された『仮面ライダー竜騎』を『KAMEN RIDER DRAGON KNIGHT』として同じように放送しましたが、こちらも1年で放送終了となり継続化されませんでした。

 というわけで『仮面ライダー』は2度ほどアメリカのTV番組として放送されています。だからここでそれなりの知名度を全米で得たのかもしれませんが、少なくとも『ゴジラ』や『パワーレンジャー』ほどブレイクしたとは言い難いのです。一方、ジェームズ・ガン監督について言えば1966年生まれですから、年齢的に1995年と2009年の放送を観て仮面ライダーを知った&好きになったとも考えづらいんです。もっと前から仮面ライダーを知ってたんじゃないかと。彼はもともとウルトラマンやゴジラ映画が好きだと公言しているから、当然日本のこの手のカルチャーは知っていただろうし、また香港やアジアのアクション映画のファンでもあるのでこうした作品を輸入ビデオとかで観ていて、その中に日本の仮面ライダーとかが混じっていた可能性もありますね。

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「映画シーン分析」の最新記事

もっとみる