YouTube、なぜドラマ製作から撤退? 競争が激化する動画配信サービスの明暗

YouTube、なぜドラマ製作から撤退? 競争が激化する動画配信サービスの明暗

 日本ではDisney+が登場し注目を浴びて久しいが、一方アメリカでは、ドラマ製作から撤退したSVOD(定額制動画配信)がある。YouTubeだ。YouTube Premiumコンテンツの一つであるドラマは、昨年から撤退の噂がBloomgergなどで報道されており(参考:YouTube Denies Report That It’s Exiting Scripted Dramas, Comedies|Variety)、製作のソニー・ピクチャーズ・テレビジョン側は否定を続けてきたが、遂に今月正式に撤退となった。

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 『ベスト・キッド』(1984年)の30年後を描いた続編テレビシリーズ『コブラ会(原題)』のシーズン3は、Netflixが製作を発表。シーズン1、シーズン2を2020年内に配信し、その後シーズン3も続けて配信していく方針だ。YouTubeからはシーズン4製作を行わない方針が出され、行き場を失った『コブラ会』はNetflixだけでなくHuluなどその他複数のプラットフォームが獲得競争を繰り広げた。今回は、アメリカでは人気作でさえ行き場を失うほど競争が劇化しているSVODの最新動向に注目し、さらにそこから見えてくる日本のSVOD、特にアメリカのテレビシリーズ配信に関する課題にも触れていきたい。

良作を配信しても勝てない熾烈なSVODシェア競争

 YouTubeはドラマ製作から撤退するだけで、SVODである85チャンネル分の生放送が観れるYouTube TV(日本未上陸)やYouTube Premium自体は継続をする。NetflixやAmazon Prime Videoに代表されるようにSVODのイメージとしては映画やドラマの配信がメインだが、YouTubeはあえてドラマ製作から撤退することで他のプラットフォームとの差別化を図るようにも思える。

 ただ、いずれにしてもYouTube TVは2019年末で200万ユーザー、YouTube Premium(Music視聴サービス含む)は今年2月に2000万ユーザーと一見ユーザー数は多そうに見えるが、Netflixユーザーは世界で1億9000万なので圧倒的な差がある(参考:YouTube Premium and Music Now Have More Than 20M Subscribers|billboard)。2018年からオリジナルドラマの発表を開始したYouTubeだったが、2019年には数作品製作の打ち切りを発表(参考:YouTube Cancels Four Original Scripted Shows|DEADLINE)。結局わずか2年あまりでドラマ製作から撤退となった。YouTubeはもともと広告付きの動画配信としては周知の事実として確固たる地位を気づいているが、SVODとしてはユーザーに認知されなかったという結果だ。

 『コブラ会』については何も注目度が低いドラマでもなく、むしろ2018年にはGoogleで最も検索されたテレビシリーズの一つとして名を連ね、人気があるからこそシーズンを重ねてきた経緯がある。それでも、後続する作品が出てこないこと、他サービスに比べ圧倒的にラインナップが少ないことが、YouTubeで有料ドラマを観るツールとしても定着をしなかった理由ではないかと思われる。

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