山田裕貴は役を“生きる” 熱い生き様を見せた必見の3作

山田裕貴は役を“生きる” 熱い生き様を見せた必見の3作

 今年30歳の節目の年を迎える山田裕貴。俳優デビューは2011年の特撮ヒーロードラマ『海賊戦隊ゴーカイジャー』のゴーカイブルー役で、14年には山田悠介の小説が原作の『ライヴ』で映画初主演を飾った。これまでにテレビ、映画、舞台と多くの作品に出演しており、近年ではNHKの連続テレビ小説『なつぞら』の小畑雪次郎役で幅広い世代に認知された。

 特徴的な切れ長の瞳を武器に、キラキラ青春映画からヤンキーもの、若手刑事、二枚目でも三枚目でも、どんなジャンル、役柄でもこなす。その俳優、山田裕貴としての力を培ってきたのは、本人の持つ負けん気の強さだ。「もっと知名度を上げたい」「負けたくない」「俳優王になる!」など、熱い言葉を吐くこともしばしば。バイタリティでこの10年を駆け上がってきた。そこに愛嬌が同居していることで、共演者やスタッフ、観客からも愛される存在になっている。そして山田自身が語っている通り、役を「生きる」ことでどの役もリアルな人間として感じさせるのだ。そんな山田の出演作のなかでも特に必見な3本を挙げた。

『ストロボ・エッジ』(2015年)

 咲坂伊緒の人気少女漫画コミックスを、福士蒼汰と有村架純のW主演で映画化した本作は、恋愛経験ゼロのヒロイン・木下仁菜子(有村架純)が、人気者で年上の彼女のいる一ノ瀬蓮(福士蒼汰)を好きになり、いちずに思い続けるようになる。山田が演じたのは、蓮の親友で、一見チャラそうな茶髪男子の安堂拓海。蓮を好きな仁菜子に興味本位で近づくが、やがて本気で仁菜子に惹かれていく。

『ストロボ・エッジ』

 あくまでも軸は福士と有村であり、仁菜子が蓮に向けるまっすぐな恋心にキュンとなるが、安堂の不器用な男らしさがそれ以上にキュンキュンさせる。特に、後半の仁菜子と安堂が教室でぶつかるふたりきりのシーンは、観る者の心を完全に引き込む。出演当時、山田は前年の『ライヴ』にて映画初主演を果たしていたものの、本人としては人気コミックスの人気キャラを演じること、当時は福士と有村に比べて知名度が低かったことで、かなりのプレッシャーがあったという。そして安堂に寄せるためと約10キロの減量を行い、撮影に臨んだ。結果的に、山田の安堂は蓮との人気を二分するほどの支持を得たが、人気キャラだからといって、コミックスの安堂をそのまま実写に起こすのではなく、山田らしい強さと軽さを溶かした実写ならでの安堂を生んだことで成功へと繋げた。

『闇金ドッグス6』(2017年)

 『ガチバン』シリーズの窪田正孝主演の『ガチバン ULTRA MAX』(2014年)と『ガチバン NEW GENERATION』(2015年)の2作品に登場したイチキャラクターだった、山田演じる安藤忠臣を主人公に、2015年に裏社会ものの『闇金ドッグス』が誕生。人気を博し、シリーズ化された。山田は第1作と、それぞれ2作、4作、6作、8作で主演を務めている。元やくざの闇金業者を主人公にした本シリーズは、各エピソードを通じて人間の本性をあぶりだす、かなり攻めた内容になっている。そのなかで、山田は裏社会に生きる大人の男の静かな迫力を滲ませる。

『闇金ドッグス6』

 『闇金ドッグス6』では、闇金業を営む安藤がブローカーから買った焦げ付いた債権から1000万円を搾り取ろうとするが、債権者が行方不明となり、その妻・未奈美(西原亜希)が現れたことで物語が動いていく。実は未奈美は安藤のかつての恋人だった。観終わって、鬱々とした気分になる危険性もあるシリーズだが、人間の狡さや汚さに、反面教師としたり、騙されないようにと警告を受け取ることもできる。第4作では、他シリーズとは違う安藤のロマンス要素に触れることができ、20代後半の男らしい山田の色気が感じられ、ラストには切なさが残る。

 キラキラ系ではない山田を楽しめる作品としては、『HiGH&LOW』シリーズでの狂気的な側面を見せる鬼邪高校番長・村山良樹役も推しだ。山田の好演によって人気が出たことで、メインキャラクターへと成長していった。最新作『HiGH&LOW THE WORST』(2019年)での卒業は大きな話題を持って伝えられ、改めて村山人気を感じさせた。不良ものでは、少女漫画原作の『ホットロード』(2014年)の金パ役でも、すでに存在感を放っていた。また伊藤健太郎主演の『デメキン』(2017年)では主人公の親友としてまた別の熱さを感じさせる。『あゝ、荒野』前篇・後篇(2017年)、『亜人』(2017年)も全くキラキラ系ではない2作品。いずれも短い出演シーンで爪痕を残している。

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