岸井ゆきの、『浦安鉄筋家族』でコメディエンヌに開眼? 濃すぎるキャストとのやりとりに注目

岸井ゆきの、『浦安鉄筋家族』でコメディエンヌに開眼? 濃すぎるキャストとのやりとりに注目

 ありとあらゆる意味で“実写化不可能”と言われた浜岡賢次の伝説のギャグ漫画を、佐藤二朗を主演に迎えて実写ドラマ化し(てしまっ)た『浦安鉄筋家族』。すでに第2話まで放送されているが、テレビ東京の深夜枠といえどもコンプラギリギリを攻めたギャグの連発に、途方もないほどのテンションの高さ。良い意味で“やらかした”異質さと、暴走列車のような無軌道なスピード感は、不思議と見応えがある(が、金曜の夜中に観るにはいささかカロリー消費が激しい)。

 もっとも「人気漫画の実写化」と「佐藤二朗」、「コメディ」の三つが組み合わさると、勝手に福田雄一作品なのではと思ってしまうのだが、本作の監督を務めるのは『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)の瑠東東一郎。そして脚本を上田誠をはじめとした劇団「ヨーロッパ企画」の面々が手がけているとあって、大沢木家の家の中をメインに繰り広げられるほぼワンシチュエーションのドタバタ感には、舞台劇らしい面白味があふれている。いずれにしても、ヨーロッパ企画作品といえば昨年秋に人気キャラクターをアニメ化して想像を超える大ヒットとなった『映画 すみっコぐらし』が記憶に新しく、その振れ幅の大きさからはヨーロッパ企画の裾野の広さを改めて感じずにはいられまい。

 そんなヨーロッパ企画のメンバーである本多力が見せる長男・晴郎のオタクぶりであったり、十数年前にアクション女優として注目を集めたこともある水野美紀が持ち前の身体能力をムダ遣いして演じる母・順子など、キャスト陣の振り切った演技も見どころのひとつである本作。原作に登場するアクの強いキャラクターを驚異的なまでに再現した花丸木くん役の染谷将太や仁ママ役の宍戸美和公などもインパクト抜群で、なかなか語りどころが尽きないわけだが、ここでは長女・桜役を演じる岸井ゆきのにフォーカスを当ててみたい。

 岸井が本格的にブレイクの波に乗ったのは2018年度後期に放送されたNHK連続テレビ小説『まんぷく』であろう。安藤サクラ演じる主人公の姉夫婦の娘役として、当時26歳でありながら14歳の役を演じ注目を集めた。そして昨年のちょうど今頃に公開されていた今泉力哉監督の『愛がなんだ』では、今泉映画のヒロインらしい不器用な恋にハマる主人公を見事に演じ、先頃発表された日本アカデミー賞では新人俳優賞を受賞。最近ではSOYJOYのCMに出演するなど、大きな飛躍を遂げることになったわけだ。

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