川口春奈、『麒麟がくる』に“深み”を与える 帰蝶の多面的な人物造形

川口春奈が背負う『麒麟がくる』の深み

 先週放送されたNHKの大河ドラマ『麒麟がくる』第12回「十兵衛の嫁」で、斎藤道三の娘であり、政略結婚で尾張・織田家の信長(染谷将太)に嫁いだ川口春奈演じる帰蝶が、信長の父・織田信秀(高橋克典)を向こうに回し、強い存在感を示した。さらに今週放送の第13回「帰蝶のはかりごと」ではタイトルの通り、またこれまでとは違う帰蝶の顔が見られそうだ。

 沢尻エリカの降板により、急きょ帰蝶を演じることになった川口。初の大河ドラマ出演であり、時代劇も初めてという不安要素が多いなか、主演を務める明智光秀役の長谷川博己をはじめ、共演者、スタッフのバックアップもあり、安心して撮影に臨めていることを明かしていた(参考:「麒麟がくる」帰蝶役・川口春奈、初大河で大役担う覚悟 - シネマトゥデイ)。

 序盤こそ出演シーンは少なかったが、最初の夫である美濃の守護大名・土岐頼純(矢野聖人)が、実の父・道三によって殺害されたあと、政略結婚として尾張・織田家に嫁ぎ、信長の妻となってから、帰蝶の人物像は一気に立体化していく。


 もともと放送前に実施したインタビューで川口は、帰蝶という人物像について「激動の時代を生き抜いた女性。芯の強さがあり、のちに信長をコントロールする賢い女性」というディレクションを受けたことを明かしていたが、“凛とした佇まい”というのが一つのキーワードになっていた。

 この言葉通り、織田家に嫁いでからも帰蝶は、信長をしっかりと立てつつも、ただ従うだけではなく、自分の意見をもち行動する。特に第12回では、弟の信勝(木村了)に重要な拠点である末盛城を任せることを聞いた信長が反論し、父・信秀に叱責され気持ちが荒れるなか、信長に寄り添い慰めることなく、病床に臥している信秀のもとに一目散に駆け寄り、信長のことをどう思っているのかを問う。

 ここで帰蝶と信秀がどんな会話をしたかは現状、視聴者には明かされていないが、その後、帰蝶は信長に対して、彼の士気が上がる言葉を投げかけ、信長をも自身の手の内にいれるような“強さ”を見せつけた。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アクター分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる