川口春奈、大河ドラマ『麒麟がくる』でついに織田家へ 「最後まで強く賢い帰蝶でいたい」
長谷川博己が明智光秀を演じる大河ドラマ『麒麟がくる』(NHK総合ほか)の第9回が、3月15日に放送される。第8回では、ついに川口春奈演じる帰蝶が尾張の織田信長(染谷将太)のもとへと嫁いでいった。光秀に引き留めて欲しい帰蝶の思いが伝わる場面や、同じく光秀を慕う駒(門脇麦)とのガールズトークが展開するなど、凛と美しい帰蝶の切なさに悶絶させられる回となった。
高評価を得ている帰蝶役の川口春奈に取材。大河初挑戦の感想や、座長・長谷川の印象、光秀の魅力、第9回でいよいよ初対面となる信長について、そして帰蝶を演じる覚悟などを聞いた。
第8回の光秀とのシーンは「すごく切なかった」
――第8回ラストでついに織田家に嫁入りしました。演じてみての感想は?
川口春奈(以下、川口):帰蝶は、自分のなかでの葛藤がすごくあったと思います。生まれながらの自分の宿命、使命があるわけですが、光秀と離れなければいけないという切なさもあります。でも断ることはもちろんできない。自分のやるべきこと、強い覚悟を決めた彼女の芯のようなものを意識した、尾張に向かうシーンになったと思います。
――現代の女性には考えられない境遇ですね。
川口:そうですね。当時はそれが当たり前だったのかもしれませんが、やっぱり理解しがたい宿命ですよね。
――光秀に信長を見に行かせた帰蝶の思いも語られていました。
川口:行くことはたぶん変わらないけれど、止めてほしいという思いはあるだろうし、止めてくれるのはあなたしかいないという思いもあったと思う。そんな彼に「お行きなさい」と言われた。帰蝶なりに「私はどうしたらいいの」という思いを言えるのは、光秀さんしかいないのかなと思いますし、すごく切ないシーンでしたね。
――同じように光秀に思いを寄せる駒との女子トークもまた登場しました。
川口:ふたりとも叶わぬ恋、想いを秘めている。駒さんは身分が合わないし、私は政略結婚のために嫁がなきゃいけない。ライバル心というよりは、気持ちを共有し合うというか。ガールズトークをしていますが、内容的には切ないものが多かったですね。駒といるときは、帰蝶も普段は見せない表情を見せたりしています。
――ふたりを引き付けた光秀の魅力はどこだと感じましたか?
川口:まずは責任感でしょうか。戦が続く中で人を斬ることへの違和感を彼は抱いているし、自分が変えていきたいと思っている。それから好奇心旺盛だったり、タフだったり、優しかったり、どこか放っておけないところもあって、もっと知り合いという想いが芽生える人なのかなと思います。
「(本木雅弘は)すごいオーラですべてを見透かしているよう」
――長谷川さんの印象はいかがですか?川口:本当に助けられています。「はじめまして」だったのですが、クランクインの前から温かい言葉をかけていただきました。撮影に入ってからも気にかけてくださったり、いつも穏やかに現場にいらっしゃって、すごく安心感があります。周りのことを常に気にかけていらして、とても感謝しています。
――いよいよ織田家に嫁ぎました。信長役の染谷さんの印象は?
川口:子供らしい天真爛漫な部分があるかと思えば、物事を潔く決める瞬間があったりと、色んな顔があってとても新鮮です。
――信長の魅力はどんなところだと?
川口:突拍子もないことを言ったり、最初は「なんだこの人は」と思います。でも育ってきた環境や、母親との関係性などを聞いていると切ないところもありますし、帰蝶と通ずるところもあるのかなと。いつもヘラヘラケラケラしていて、でもやることは大胆で。面白い人だなと感じながら、どんどん惹かれていくのかなと思います。
――帰蝶は斎藤道三の娘ですが、本木雅弘さんの演技が早くから話題になっています。
川口:(撮影中は)ものすごい威圧感とオーラで、全てを見透かされているようです。怖いです(笑)。本当にすごいと思いますね。第2回の毒殺シーンでは、私は途中退室する芝居だったので、あの場面はテレビで見ました。本木さんのものすごい迫力のお芝居を、圧倒されながら、いち視聴者として見ました。