二階堂ふみに瓜二つの子役・清水香帆 『エール』裕一と音の運命的な出会い

二階堂ふみに瓜二つの子役・清水香帆

 福島市の名所・花見山公園から、“雪うさぎ”で有名な吾妻小富士を眺める風景で幕を開けた『エール』(NHK総合)第4回。“ムービングサーズデー”とは朝ドラ受けを担う、『あさイチ』MCの博多華丸が、『半分、青い。』放送時に、「ことが動く曜日」として提唱したもの。働き方改革により週5回に短縮となった『エール』においても、このムービングサーズデーは立証されることとなる。

 それが、裕一(石田星空)と音(清水香帆)の運命的な出会いだ。福島市から鉄道で1時間、まさ(菊池桃子)の実家がある川俣へと遊びに行く裕一。織物で栄えた川俣は、映画館や賑やかな出店が並ぶ、華やかな街だ。そこで裕一は、ふと聞こえてくる賛美歌「いつくしみ深き」に誘われるように教会へと向かっていく。

 そこで聖歌隊に囲まれ、賛美歌を歌っていた少女が、後に裕一の妻となる音。満面の笑みで歌う音に裕一は、まるで電撃が走ったかの如く恋に落ちる。手を振る音に、裕一も手を振り返すが、それは父親に向けてというのも漫画のような展開。左手にはべっこう飴、右手は高鳴る心臓を押さえ、裕一は「川俣いい! すごくいい!」と叫ぶのだった。

 驚くのは、音を演じる子役の清水香帆が、後にバトンタッチとなる二階堂ふみに瓜二つであること。制作統括の土屋勝裕氏によると、清水は大勢の子役が参加したオーディションの中から、3次審査まで勝ち進み今回の抜擢に至ったという。彼女にいまだセリフというセリフはないため、今後さらなる衝撃を与えてくれるはずだ。

 さらに、ムービングサーズデーと言えるのが、裕一の初めての作曲である。小学校の担任・藤堂(森山直太朗)から出された作曲の宿題。蓄音機から流れる西洋音楽に興味を持つ裕一の姿に、三郎(唐沢寿明)は新しいレコードを、さらには『作曲入門』の本を買い与える。三郎とまさが見守る中、夜遅くまで読みふける裕一。そして、早朝。学校にやってきた裕一は、クラスにあるオルガンを弾き、あともうちょっとというところで、頭の中にメロディーが鳴り響く。

 「できた!」。これが裕一にとって初めての作曲。黒板には五線譜に記譜された弾むようなメロディーが残されていた。天才作曲家と呼ばれることになる、裕一の音楽人生が今、幕を開けた。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

■放送情報
連続テレビ小説『エール』
2020年3月30日(月)〜9月26日(土)
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演:窪田正孝、二階堂ふみ、薬師丸ひろ子、菊池桃子、光石研、中村蒼、山崎育三郎、森山直太朗、佐久本宝、松井玲奈、森七菜、柴咲コウ、風間杜夫、唐沢寿明ほか
制作統括:土屋勝裕
プロデューサー:小西千栄子、小林泰子、土居美希
演出:吉田照幸、松園武大ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/yell/

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