登竜門を通らない! 神尾楓珠、宮沢氷魚、金子大地……地道に実力を重ねる役者たち
佐藤寛太
『僕の初恋をキミに捧ぐ』(テレビ朝日系/2019年1月期)で宮沢の弟役を演じていたのは劇団EXILEの佐藤寛太。少女漫画実写作品を中心とした青春モノに欠かせない存在のひとりで、昨年6月に公開された『今日も嫌がらせ弁当』でも、芳根京子演じる女子高生が思いを寄せる“モテ男子”を自然体で演じて見せた。
そんな中、11月に公開となった『いのちスケッチ』で扮したのは、漫画家を志すも挫折し、動物園でアルバイトをする寡黙で心優しい青年役。地元・福岡を舞台にした作品だったこともあり、ナチュラルな福岡弁で話す素朴な姿は、これまでに演じてきた“イケてる高校生”とは一線を画す新境地となった。
今年2月スタートのドラマ『となりのマサラ』(NHK福岡)では、駆け出しのカメラマン役に。現在23歳とまだまだ制服が似合う年齢ではあるものの、学生役から次のステージへ突入。演じるキャラクターの幅が広がり、新たな佐藤寛太を発見できる一年となりそうだ。
金子大地
『ひよっこ2』(NHK総合)に出演しているが、朝ドラ本編には出演していないということで紹介したいのが金子大地。ドラマ版『おっさんずラブ』(テレビ朝日系/2018年4月期)で演じた“マロ”はチャラさと軽さが目立っていたが、昨年公開された『劇場版 おっさんずラブ~LOVE or DEAD~』では母性本能をくすぐる大人な男性へと変貌を遂げ、女性たちを魅了した。
初主演ドラマ『腐女子、うっかりゲイに告(コク)る。』(NHK総合/2019年4月期)で演じたのは、生きづらさを抱えるゲイの高校生役。本音を打ち明けることができない葛藤や複雑な感情を丁寧に表し、『コンフィデンス』主催の「コンフィデンスアワード・ドラマ賞」で新人賞を受賞するなど高い評価を受けた。
これまでツンデレキャラにオタクキャラと、金子の“同じ人だと気づかないレベル”の振り幅には何度も驚かされてきた。今年2月には、吉田鋼太郎演出による彩の国シェイクスピア・シリーズ第35弾『ヘンリー八世』で、満を持して舞台に初挑戦。新たに開く扉の先でも、その実力を大いに発揮してくれることだろう。
今後、彼らが“ヒーロー作品”や“朝ドラ”への出演を機に大躍進という未来もあり得るが、2つの登竜門を通らずとも大ブレイクの可能性を秘めた逸材たち。2020年、その活躍から目が離せない。
■nakamura omame
ライター。制作会社、WEBサイト編集部、専業主婦を経てフリーライターに。小学生男児2人の母。ママ向け&エンタメサイトを中心に執筆中。Twitter。
■公開情報
『his』
2020年1月24日(金)より、新宿武蔵野館ほか全国ロードショー
出演:宮沢氷魚、藤原季節、松本若菜、松本穂香、外村紗玖良、中村久美、鈴木慶一、根岸季衣、堀部圭亮、戸田恵子
監督:今泉力哉
企画・脚本:アサダアツシ
音楽:渡邊崇
製作プロダクション:ダブ
企画製作:メ~テレ
配給:ファントム・フィルム
製作:映画「his」製作委員会
日本/5.1ch/カラー/127分
(c)2020映画「his」製作委員会
公式サイト:https://www.phantom-film.com/his-movie/