金子大地が語る、NHKドラマ初主演でゲイの少年役に挑んだ心境 「ここまで役と向き合うのは初めて」

金子大地が語る、ゲイの少年役に挑んだ心境

 NHK総合にて「よるドラ」枠で放送中のドラマ『腐女子、うっかりゲイに告(コク)る。』。原作は小説投稿サイトに掲載されたものを書籍化した浅原ナオトの小説『彼女が好きなものはホモであって僕ではない』だ。

 主人公で、ゲイであることを隠している高校生・安藤純を金子大地、そして、純にBL(ボーイズラブ)マンガを買っている姿を目撃されてしまう同級生の三浦紗枝を藤野涼子が演じる。さらに、純の幼馴染の同級生・亮平役に小越勇輝、純のゲイ・パートナーであり、同じくゲイであることを隠しているマコトに谷原章介が扮するなど、旬のキャストと演技力の確かな俳優陣が送る、青春ドラマに仕上がっている。

 NHKドラマ初主演にして、この複雑な題材に挑むことになったのが、現在22歳の金子大地だ。自身にとって特別な作品になったと語る金子に、共演者・スタッフと共に作り上げた本作について、話を聞いた。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】

「言葉にできない感情を体験することがすごく多かった」

ーー台本を読んだ感想はいかがでしたか?

金子大地(以下、金子):ゲイであることに悩んでいる純を演じることになり、ここまでゲイやLGBTについて向き合ったり考えたりすることがなかったので勉強になりました。原作『彼女が好きなものはホモであって僕ではない』を初めて読んだときは、すごく感動しました。LGBTで悩んでいる人が日本には多くいて、そういう人たちにも届く作品になればいいなと、みんなで話しながら撮影していきました。僕もこの原作を読む前は、LGBTに向き合ったことがなかったですし、今も完全に理解できたわけではないですが、意識するきっかけになりました。原作を読んだ時に感じた気持ちを、テレビドラマを通して伝えられたらいいなと思います。

ーー純と金子さん自身で、似ている部分はありましたか?

金子:僕も、純のように考えごとが多いし、人に言えないことがあったり、壁を作りやすいので、その部分は共感できるなと思いました。純が“普通”にこだわることも、少しわかりますし、家庭を持っているマコトさんを好きになるというのも、自分は経験したことはないけど、人を好きになったことはあります。でも、理解して演じたというよりも、演じ終わったから理解できたのかな、という感覚です。その時はお芝居をしているから無我夢中で、現場で「なんだ、この感情は」というような、言葉にできない感情を体験することがすごく多かったんです。撮影は終わったけど、純のことを100パーセント理解できているわけではなくて、もう1人の純に「お前は全然わかってないよ」と言われそうな気もします。でも、それはいいことなのかなと思っていて、僕が芝居についてずっと考えていたのと、純が悩むことがうまくリンクできたかなと。

ーーこの作品は、言葉にできなかったり、名前をつけられない感情や関係性をとても大事に扱っていますよね。

金子:そうですね。それをテーマとした作品でもあったので、みんなでそこに向かっていきました。

ーー純が考えていたり悩んでいる様子が、目の動きを通して感じられました。

金子:目の動きは意識しました。純が今何を考えているのか、表情や身体の動きを通して伝えたいなと。やっぱりテレビドラマなので、見ている人にしっかり伝わるような演技を心がけました。

ーー第1話の初めは、純とマコトのラブシーンから始まりました。谷原さんとは何か話されましたか?

金子:谷原さんがクランクインしたその日に、キスシーンが3つくらいありました(笑)。でも、役に入れていたこともあり、すんなり進んでいきました。原作と台本を読んで、しばらくしてからマコト役が谷原さんだと知ったのですが、まったく違和感がなく、すぐに「マコトさんだ」と思えましたし、谷原さんと共演することができて嬉しかったです。

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