綾野剛×杉咲花が『楽園』撮影で体感した“場所が持つ力” 「情念みたいなものはどこにでも存在する」
綾野「僕たちの母体がちゃんとリスペクトし合えてる」
ーー紡はこれからどう生きていくと思いますか?
杉咲:難しいですね……紡は「抱えて生きていく」と言ったから、東京には戻らないのかもしれません。やっぱり唯一の場所だから。
綾野:この世界では生きている人の方が苦しいので、個人的には紡には幸せになってほしいですね。彼女の中で場所の関係図がなくなることは絶対ないけど、生きるを選択した人だから、それだけで大きいと思うんです。
ーー豪士と紡を演じてきて、お互いどんな存在でしたか。
綾野:僕は杉咲さんという人と一緒に仕事がしたかったのもありますけど、仕事以上に作品を一緒に背負って支え合いながら走り抜けたらいいなっていうのがまず一番にありました。彼女と役を通して生きていると、自分の頭の中で想像していたものと根本的に違ったってなんでもいいやと思うような瞬間があって。多分、豪士と紡の2人にしか分からない光と闇のようなものを僕ら自身も感じていたと思うんです。彼/彼女を生きる僕たちの母体がちゃんとリスペクトし合えてることが、作品に良い影響を与えたのは間違いないだろうなと思います。
杉咲:私も本当に同じで、現場にいる間はずっと苦しかったのですが、綾野さんと居られる日は心が楽になれて、とても安心感がありました。でもクランクインの日は、綾野さんの役も大変だと思ったので、どういう感じで現場にいらっしゃるのかなと思って、現場でお話しできることはないんじゃいかなとも思っていたんです。
綾野:役に入り込んでね、(俯いて)こんな感じで。
杉咲:私が椅子に座らずその辺をフラフラしてたら、綾野さんが呼んでくださって、びっくりしました。でもそれがすごく嬉しくて、そこから私が出ていた作品の感想を言ってくださったり、演じていない時は色んな話をさせていただきました。それが私の中ですごくありがたくて、綾野さんは先輩でもあり、どこかお兄さんみたいな存在でもあります。
綾野:妹ができました(笑)。
杉咲:ありがとうございます(笑)。紡を演じながら繋がり合えている感じがして、私自身にとってすごく大きい存在でした。
綾野:自然と杉咲花が培ったもの、綾野剛が培ったものを、2人にしか生まれない関係をお互いに見つけ合えたことが、豪士と紡にちょうどリンクしたんじゃないかな。シーン数は少なかったんですけど、どれもいい意味で全く苦しくなかったですね。
(取材・文=大和田茉椰/写真=服部健太郎)
■公開情報
『楽園』
全国公開中
監督・脚本:瀬々敬久
出演:綾野剛、杉咲花、佐藤浩市、村上虹郎、片岡礼子、黒沢あすか、石橋静河、根岸季衣、柄本明
原作:吉田修一『犯罪小説集』(KADOKAWA刊)
配給:KADOKAWA
(c)2019「楽園」製作委員会
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