『なつぞら』脚本家・大森寿美男が明かす、広瀬すずとなつの共通点 「僕の中では分け難いもの」

『なつぞら』脚本家・大森寿美男が明かす、広瀬すずとなつの共通点 「僕の中では分け難いもの」

 NHK連続テレビ小説『なつぞら』も最終回まで残すところ1カ月を切ろうとしている。

 北海道の十勝の大自然に育まれたなつ(広瀬すず)は、今や子育てと仕事に奮闘中だ。朝ドラ第100作を記念する本作の脚本を担当したのは、朝ドラ第69作『てるてる家族』を手がけた大森寿美男。今回、脚本を完成させた大森に、本作に込めた思い、何を考え執筆に臨んだのかを語ってもらった。

「まだビクビクしています(笑)」

ーーまずは執筆を終えた今の気持ちを率直にお聞かせください。

大森寿美男

大森寿美男(以下、大森):達成感を味わえるかなと思っていたけど、まだ不安です。最後の最後までこのドラマが皆様にどう受け止められるかと。最後まで満足していただければ、最低限の責任は果たせたかなという気持ちです。

ーーまだ解放感みたいなものはないですか?

大森:ないです。まだビクビクしています(笑)。アニメーションパートもどういう仕上げになるか全く想像がつかないところもありますので。今回は、自己満足だけで終わってはいけない企画で、「やれるだけのことはやった」ではいけないんです。関わっている人たちも多いので、みんなが満足いく作品になるように、なによりも、広瀬すずさんが最後まで全力で駆け抜けられるようにと考えて書いていました。そうしないと僕の責任も果たせたような気がしないので、解放感はまだないです。

ーー『てるてる家族』の時とは、朝ドラの取り巻く環境が違うと思います。前回と比べていかがでしたか。

大森:今回はプレッシャーが全然違いました(笑)。100作目でどうしても注目されるでしょうし、広瀬すずさんはじめ、みなさんに成功してもらいたいという気持ちが強かったので。成功に導くぞという意欲はあるけども、あまり自分の力を信用しているわけではありませんでした。どこを目指せばいいのか最初から悩んでいたので、『てるてる家族』とは書くスピードが違いました。1週間分を書くのに今回は倍近くはかかりました。余裕を持って始めたので、オンエア前に書き終えちゃうんじゃないかと思ったんですけど無理でしたね。

ーーその中でスラスラと書けた部分はありますか。

大森:スラスラとは書けてはいないんですけど、今回はアニメーターの成長記でもあると同時に、ホームドラマだと僕は思っているんです。北海道の柴田家もホームだし、新宿の風車もホームだし、なつは結婚して自分のホームを作っていきます。この3つのホームを大きく分けてなつの流れにしようと考えていました。その部分はすごく楽しくて発想しやすかったです。

 

 一方で、アニメーションの部分は難しかったです。なつが抱える喪失感みたいなものを、ホームではなく“表現”という形で満たしていくというコンセプトだったので、その表現方法を悩みました。僕は自分で絵を描いて発想することができないので、アニメーションのスタッフと相談しながら進めました。あとは、アニメの分量ですね。作れるアニメーションの分量が決まっているので、それをどうドラマの中でを見せていけるかと。そこが一番苦しかったです。

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