山口智子、朝ドラは「人生の始まり」 『なつぞら』で果たした年長者としての務め

山口智子が語る、朝ドラカムバックの心境

 歴代の朝ドラヒロインが多数登場という、100作目ならではのサプライズなキャスティングでも視聴者を楽しませている『なつぞら』(NHK総合)。今回、広瀬すず演じるヒロインの母親代わりとなる富士子役の松嶋菜々子(松嶋菜々子が語る、約20年ぶりの朝ドラ)に続き、東京の“お母ちゃん”・亜矢美を演じる山口智子にインタビューを行い、30年ぶりに戻ってきた朝ドラへの思い、そして咲太郎(岡田将生)たちの元を去った亜矢美の心境を聞いた。

「何ものにも変えがたい素晴らしい体験」


ーー今回、『純ちゃんの応援歌』から約30年ぶりの朝ドラカムバックです。

山口智子(以下、山口):30年ねぇ、びっくりしちゃいますよね(笑)。周りから言われて初めて実感しています。NHKに帰ってくるとお母さんのお腹の中に帰ってきたような安心感があって。でもほっとする気持ちと同時に、やはり何よりもビシッとしないと、という背筋がシャキッと伸びるような緊張感もおぼえます。今、毎日の撮影の現場では、若さとエネルギーにあふれた、キラキラ輝く才能溢れる若者たちに囲まれていますが、彼らは様々なシーンで本気で根性を見せてぶつかってくる気迫が素晴らしいです。私も初心に帰って気合いを入れ直さなくてはと、若者たちから大きな刺激をいただいています。

ーー周りから「観ているよ」という、声かけはあったりするのでしょうか?

山口:はい。疎遠にしていた友達や遠い親戚から連絡があったり、また絆を深めるのに役立たせていただいております(笑)。「亜矢美のカスタネットがよかったよ」というお声をいただいたり、場面の細かい部分までよく見てくださっているんだなと嬉しくなります。

ーー朝ドラに戻ってきたなと感じるところはありますか?

山口: 朝ドラに突入すると、本当に家族のように出演者やスタッフと長い時間を一緒に過ごすので、日々みんなの絆が深まっていきます。今回も新たな家族や友と出会うことができて、毎日たくさんの刺激をいただきとても幸せです。それに……朝ドラの魅力はやはり、ヒロインの方をみんなで応援する一体感を共にすることかもしれません。ヒロインが様々な人生経験を演じることで成長していく、その過程を毎日見守り応援することで、私たちも作品に関わらせていただきながら、一緒に成長させていただくような感覚です。シーン一つ一つを、さらに面白くするためにみんなで力を合わせることで、少しずつ一緒に階段を上がっていくような手応えがあります。それは、何ものにも変えがたい素晴らしい体験です。

ーー松嶋さんは朝ドラで人生が変わったとおっしゃっていましたが、山口さんにとって朝ドラ、特に『純ちゃんの応援歌』はどういう存在ですか?

山口:人生の始まりですね。『純ちゃんの応援歌』に出会っていなかったら、普通にお見合いをして結婚して旅館を継いで女将になる人生だったと思います。おかげさまで、朝ドラで出会った唐沢(寿明)さんとも結婚させていただき、人生のすべてのきっかけをいただきました。本当に素人で何も知らないところから飛び込ませていただいて、受け止めてくださった朝ドラに感謝してもしてもしきれません。

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