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絶好調続く『天気の子』 もはや避けることができない宮崎駿との比較

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 『天気の子』が公開2週目に入っても絶好調を維持している。先週末の土日2日間の動員は70万4000人、興収は10億1200万円。公開からわずか10日間、7月28日(日)時点で累計動員287万人、累計興収39億円を突破している。前週の当コラム(『天気の子』大ヒットスタート 万人向けだった『君の名は。』とは違う、その魅力とは?)では作品を高く評価しながらも興行面においては少々慎重な見解を述べたが、新海誠監督は今作でほぼ間違いなく、『君の名は。』から2作連続で100億円突破するという偉業を成し遂げることになるだろう。

 同じ日本人監督による日本国内での2作連続興収100億円突破がどれだけすごいことかというと、実写映画監督を含めても前例は宮崎駿監督ただ一人だけ(『踊る大捜査線』シリーズで本広克行監督も興収100億円突破を2回しているが、監督作としては連続していない)。宮崎駿監督が2作連続で興収100億円突破を成し遂げたのは1997年の『もののけ姫』から2001年の『千と千尋の神隠し』にかけてのことだから、もう20年近く前の出来事になる。その後、『ハウルの動く城』(2004年)、『崖の下のポニョ』(2008年)、『風立ちぬ』(2013年)と5作品連続で興収100億円突破を記録していて、現在もその記録は継続中である。

 興収面においては、宮崎駿監督以外に国内で比肩する存在がなくなった新海誠監督。今年6月、中国全土の9000以上のスクリーンで『千と千尋の神隠し』が18年越しに初公開されて、同日公開された『トイ・ストーリー4』の約3倍にあたる4億元(約62億円)を2週間で稼いだ(契約の条件にもよるが、現在スタジオジブリが製作中の宮崎駿監督新作の制作費の面でも大きな助けとなったかもしれない)というニュースが報じられたばかりだが、海外でも強いのは新海誠監督作品も同様。加えて、『君の名は。』は現在、『アメイジング・スパイダーマン』シリーズのマーク・ウェブが監督、『メッセージ』やNetflix『バード・ボックス』のエリック・ハイセラーが脚本、現行『スター・ウォーズ』シリーズのJ・J・エイブラムス率いるバッド・ロボット製作という超強力な布陣で実写映画化の企画が開発中。8月に入ってから各国で順次公開(北米公開は2020年)される今回の『天気の子』も、『君の名は。』以上のヒットが期待されている。

 このようなことを書くと、日本国内ではまだ「いやいや、宮崎駿と比べるのはまだ早いよ」という声も上がるだろうし、何よりも(当然のように)その強い影響下にある新海誠本人が「宮崎駿監督と比較されるのは畏れ多い」という趣旨の発言をしばしばしているが、新海誠監督はまだ46歳。ちょうどその年齢の時期の宮崎駿といえば、スタジオジブリを設立して、その第1弾作品として『天空の城ラピュタ』(1986年)が公開されて、続く『となりのトトロ』(1988年)の制作に入っていた頃。そう考えると、少なくとも作品が社会に与えているインパクトの大きさやそのリアクションにおいては、十分に比較し得る存在だと自分は思う。

      

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