黒羽麻璃央、荒牧慶彦ら舞台俳優がTVで真価を発揮 『サクセス荘』本番一発勝負に挑む10人の猛者

『サクセス荘』本番一発勝負に挑む10人の猛者

 この夏、ちょっと変わり種のドラマが始まる。それが、木ドラ25『テレビ演劇 サクセス荘』(テレビ東京系)だ。

 今作の注目すべき点は3つ。1つ目は演劇界に革命を起こし続ける株式会社ネルケプランニングの代表取締役会長・松田誠が原案・プロデュースを務め、『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)で連ドラ界に絶大なインパクトをもたらした脚本家・徳尾浩司が脚本を手がけること。2つ目はリハは1度だけ、本番一発勝負のガチンコ芝居であること。そして3つ目が、出演陣が舞台を主戦場とする若手俳優であることだ。

 ネルケプランニングとは1994年に創業された舞台制作会社。漫画やアニメ、ゲームを原作とした「2.5次元舞台」のパイオニアであり、ミュージカル『刀剣乱舞』を筆頭に数々のヒット舞台を手がけている。

 松田誠はその仕掛け人としてこれまで数々の舞台をプロデュース。『情熱大陸』(TBS系)でも特集を組まれたヒットメーカーだが、その原点はザ・演劇青年。アングラ演劇の旗手・唐十郎の舞台に魅せられ、自らも20代半ばまで役者として小劇場を中心に活動していた経歴の持ち主だ。

 一方、脚本の徳尾浩司も高校の文化祭でクラス劇の脚本を書き下ろしたことを出発点に、慶應義塾大学在籍時は学内の演劇サークルに所属。社会人となってからは自らが主宰となって「とくお組」を旗揚げし、サラリーマン生活と並行して演劇活動に取り組んでいた。

 つまり、両名共に「演劇」が創作の原点。以前、橘ケンチ(EXILE)を主演に迎えた舞台『ドン・ドラキュラ』(2015年)でもタッグを組んでおり、「本番一発勝負」という連ドラ界から見れば非常識な企画が生まれたのも、演劇にルーツを持つ松田×徳尾の組み合わせだからだろう。

花も実もある舞台俳優たちが、その真価をテレビで証明する

 そして、その「本番一発勝負」に挑むのは、和田雅成、高橋健介、高野洸、髙木俊、黒羽麻璃央、有澤樟太郎、荒牧慶彦、定本楓馬、玉城裕規、寺山武志という10人の若手俳優たち。普段テレビや映画しか見る機会のない視聴者にとっては、率直に言うと馴染みのない顔ぶれかもしれない。

 しかし、無名と侮るなかれ。彼らは舞台の世界ではトップクラスの集客力を誇るスター俳優たち。そのルックスは多くの女性ファンがつくのも頷けるイケメン揃い。彼らが雑誌の表紙を飾ると部数が伸び、たった一言のツイートに万単位のいいねが集まることも。一般知名度では測ることのできない熱狂的な人気を有している。

 だが、決して容姿先行ではなく、それに見合う実力もしっかり備えているのが、彼らの強み。特にこの「テレビ演劇」というフォーマットでは、その真価が遺憾なく発揮されることだろう。

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