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一番の驚きはジルベール=磯村勇斗!? 『きのう何食べた?』キャラクターと役者のマッチ度を検証

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 自分が、日々新しい単行本が出るのを心待ちにしていて、出たら即買うほど好きなマンガの実写化というものは、ほぼまちがいなく、腹が立つ仕上がりになるものである。

 9歳の時、『ドカベン』の実写映画化(1977年)を観て以降、何度となくそんな現実に直面してきた。『ドカベン』を撮った鈴木則文監督が、『トラック野郎』シリーズ等を世に送り出した商業映画の名匠であることは、大人になってから知ったが(亡くなる前年に出た著書『東映ゲリラ戦記』も読みました)、それでも広島の映画館で「子供をバカにするな!」と心底頭にきた記憶は、あれから40年以上の月日が流れても決して消えない。

 まあ『ドカベン』のひどさに関しては、ポイントを挙げればキリがないが(ほぼ柔道編で野球はちょっとだけ! 殿馬が川谷拓三!  夏子はんはブスメイクしたマッハ文朱! 徳川監督役で出てんじゃねえよしかも似合ってんじゃねえよ怒れよ水島新司! などなど)、そのように「大好きなマンガの実写化」イコール「腹が立つ仕上がり」になるのは、必ずしも作品側の問題ではない。自分がそのマンガにのめりこむことによって脳内に形成されていくイメージとズレるからだ、どうしたって。その自分個人のイメージとぴったりくるか、もしくは「俺のイメージとは違うけどこっちの方がいいや」というくらい圧倒的な説得力を持つ作品になっているか、そのどちらかでないといけない。で、そんなものは、ほぼありえない。くり返すが、作品側だけでなく、自分の脳味噌のせいで。

 しかし。あくまで僕個人にとってだが、ここ4年の間で少なくとも二作、自分にとって「腹が立たない」「それどころかめっちゃいい」大好きなマンガの実写化と出会う、という驚くべき経験をした。ひとつは2015年、是枝裕和による吉田秋生『海街diary』の映画化。そしてもうひとつは、2019年4月からテレビ東京金曜深夜「ドラマ24」の枠で放送が始まった、よしながふみ『きのう何食べた?』のテレビドラマ化である。

よしながふみ『きのう何食べた?』第1巻

 この『きのう何食べた?』の「マンガの実写化」がなぜ成功しているのか、どこがどのように優れているのかについて、すべて書いていくと、それだけで本1冊くらいになってしまう。

 なので、たとえばマンガの2話分をドラマ1話に合体させた上で細部を引いたり足したりマンガでは物語の中盤にあったセリフをシメに持ってきたりするのがどれも芯を食っている、つまり編集する手さばきがいちいち見事である安達奈緒子の脚本についてとか、初めて会った時ジルベールが着ていたTシャツが原作では「ぞう」なのを「針ネズミ」に変えるなどの絶妙なセンスの演出とか、そういうことについては本稿ではいったん置いといて、一点に絞って書きたい。

 どこについて。キャスティングについてである。

 このドラマ化が発表になった時、きっと多くの原作ファンが抱いたであろう「シロさんが西島秀俊でケンジが内野聖陽、それぞれはいいけど年齢逆じゃん! 内野聖陽の方が上じゃん! シロさんが上からでケンジが下から、っていう構図じゃないとダメじゃん!」という不安が、放送一回目で「あれ? 全然気にならない」とあっさり払拭されて以来、この主演ふたりに対しては称賛の声しかきいたことがないし、僕もそれに全面的に同意する。

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