松本若菜が主演の座をつかみ続ける理由とは? 『Dr.アシュラ』は松本劇場の“新章”に期待

松本若菜が主演の座をつかみ続ける理由とは?

 2025年の春クールに放送されるドラマも出揃いつつあるところ。そんな中、松本若菜が主演を務める『Dr.アシュラ』(フジテレビ系)が幕を開けることになる。この松本といえば、お茶の間のエンターテインメントファンにとって、いまやなくてはならない存在だといえるだろう。昨年放送された主演ドラマ『わたしの宝物』(2024年/フジテレビ系)での好演も記憶に新しい。なぜこうも彼女は愛されるのだろうか。

 本作『Dr.アシュラ』は、帝釈総合病院の救急科を舞台とした救命医療ドラマ。どんな急患であれ絶対に断らず、そしてどのような手段を取ってでも目の前の命を救ってみせる、そんな凄腕のスーパー救命医・杏野朱羅の活躍を描くものだ。救命救急の現場というのは、つねに修羅場。松本が演じる主人公の朱羅は、そのような場に運び込まれてくる患者たちのことを一切区別しない。患者がどんな人物であれ「絶対に助ける」という強い信念を持っているらしい。自身の所属する組織に忖度することなく、生死に関わる修羅場であればあるほど、彼女は本領を発揮するのだという。

 “医療ドラマ”に分類される作品はこの世に数多く存在し、「名作」に位置付けられるものもすでにいくつもある。「凄腕の救命医」と聞けば、たちまち何人もの名医の姿が思い浮かぶというものだろう。ひょっとするとこの手の作品に食傷気味の視聴者だっているかもしれない。しかし、本作は期待できる。いや、期待せずにはいられない。なぜなら、多くの演技者たちが挑んできたこの題材に新たに挑むのが、あの松本若菜だからである。

 このところ主演ドラマが続いている松本だが、彼女がはじめてドラマで主演を務めたのは『復讐の未亡人』(2022年/テレビ東京系)でのこと。あれからまだ3年も経っていない。が、『西園寺さんは家事をしない』(2024年/TBS系)、先述した『わたしの宝物』、そして今作と、いまでは完全に“主演俳優・松本若菜”の流れができあがっている。しかしこの流れに火をつけたのは、『復讐の未亡人』の前クールに放送された『やんごとなき一族』(2022年/フジテレビ系)だろう。同作における松本のパフォーマンスは“怪演”と呼ぶに相応しく、“松本劇場”として大きな反響を呼んだ。ここで彼女の存在をはっきりと認識した方も多いと思う。この“劇場”で、彼女の演技者としての力量が世に知れ渡ったわけだ。

 『Dr.アシュラ』は公式サイトで“松本若菜のノンストップ救命劇場”と銘打っているが(※)、これは確実にあの“松本劇場”があってのものに違いないだろう。松本は朱羅というキャラクターについて公式のコメントで、「朱羅の行動には、狂気じみた一面や言動があり“救命医”の枠に収まらない印象があります。誰に忖度するでもなく、自分の信じる医療を貫こうとする姿がとても魅力的だと感じました。己の腕で周りをねじ伏せる彼女の強さだけでなく、迷いや葛藤も丁寧に表現できたらと思っています」と語っている。これは新たな「凄腕の救命医」の誕生の予感に満ちているではないか。それでいて朱羅は、医療の現場以外ではズボラらしい。やはり、本作には大きな期待をかけずにはいられない。

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