鈴木おさむが語る、LDHとタッグを組んだ理由「映像や舞台を本職としていない人のアイデアも形に」
「すべての仕事は繋がっている」
ーー鈴木さんとLDHとの関わりを聞くと、LDH Oの取り組みはそのキャリアの延長線上にあるものとして理解できます。改めて、放送作家という仕事の特性を教えてください。
鈴木:僕は未だに「放送作家ってどういう仕事?」と親にも聞かれるのですが、逆にそこが面白いところだと捉えています。脚本家は脚本を書いて、映画監督は映画を撮るわけですが、放送作家は携わる番組によって仕事の範囲や内容が大きく変わってきます。企画だけを立てることもあれば、出来上がった映像のチェックまですることもある。お笑い番組についての打ち合わせをしていたかと思えば、2時間後にはリンゴの効能について真面目に話し合っていたりする。自分でも時々、「俺は一体何をやっているんだ?」と思うことすらあります(笑)。でも、ちゃんとすべての仕事は繋がっているんです。
ーー「物語の種」という発想も、全てに通じてきそうですね。
鈴木:まさにその通りです。例えばリンゴの効能についても、テレビ局のリサーチ力はものすごいから、本何冊分もの資料が集められるんですね。そこから僕は、番組のストーリーを汲み取っていく。タレントの半生を振り返るような企画だと、それこそ波乱万丈なドラマが見えてきます。どんな番組を作っても、そこには必ず「物語の種」があって、いろいろな形で表わすことができるんですよ。実際、バラエティの企画を映画や舞台にして展開したこともあります。
ーーLDH Oでは、その鈴木さんの目を通して、光る「物語の種」を見つけ出すわけですね。
鈴木:しかも、LDHにバックアップしてもらえる。今後、いろいろな物語が集まれば、このアーティストにあえてこの役をやってもらったら面白いんじゃないかとか、パズルもできますよね。もちろん、映画化や舞台化した際には、原案を出した方にちゃんと権利を与えます。作り手の権利を守っていくのも、このプロジェクトで実現したいことの一つです。本当にラフな形で良いので、温めている企画があったら、気軽にチャレンジしてみてください。
(取材・文=松田広宣)
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