三代目JSB今市隆二が俳優デビューへ 日本発の映画祭『SSFF & ASIA in ハリウッド』レポ

『SSFF & ASIA in ハリウッド』レポ

 アジア最大級の国際短編映画祭・ショートショート フィルムフェスティバル&アジア(SSFF & ASIA)が、現地時間の1月17日にロサンゼルスのTCLチャイニーズシアターにて、日本の様々な魅力を海外に発信するジャパン・ハウス(外務省)とともに『ショートショート フィルムフェスティバル in ハリウッド』を開催し、LDH JAPANとのコラボレーションプロジェクト『CINEMA FIGHTERS』の第3弾制作を発表。同作にて、三代目 J SOUL BROTHERSのボーカリスト・今市隆二が俳優デビューすることが明かされた。

会場となったTCLチャイニーズシアターに隣接するモール。ここにジャパン・ハウスの運営するショップやサロンがある。天気がよければ、この施設からハリウッドサインも望める

 SSFF & ASIAは、俳優・別所哲也が中心となり1999年に東京・原宿で誕生し、これまでに延べ40万人を動員。2002年にロサンゼルスで開催されたのをきっかけに、2004年に米アカデミー賞の公認映画祭として認定された。グランプリ作品は、次年度のアカデミー賞短編作品のノミネート候補作品になる。今回のイベントは、2018年に20周年を迎えたSSFF & ASIAのフィナーレとして行われ、日本発の映画祭ということから、ジャパン・ハウスが協賛。レッドカーペットには、ロジャー・ドナルドソン監督やジェイソン・ライトマン監督など現地の映画人の他、LDH JAPANから『CINEMA FIGHTERS』のエグゼクティブプロデューサーであるEXILE HIRO、同映画祭のアンバサダーであるEXILE AKIRAと小林直己、俳優デビューが決定した今市隆二が招かれ、さらにジャパン・ハウスのアドバイザーであるX JAPANのYOSHIKIらが登場した。

TCLチャイニーズシアターの入り口前にて。LDHメンバーのすぐ後ろには、マイケル・ジャクソンの手形も

 現地のマスメディアも訪れた合同記者会見には、SSFF代表の別所哲也、ジャパン・ハウスLA館長の海部優子氏、在ロサンゼルス日本国領事の千葉明氏、EXILE HIRO、EXILE AKIRA、小林直己、今市隆二、河瀬直美監督、松永大司監督が登壇。海部優子氏は、ジャパン・ハウスの取り組みについて、「日本の良いものを発信して、(国外で)日本を良いと思ってくれる人を増やすのが目的。ハリウッドにジャパン・ハウスがあることで、日本のエンターテインメントを世界に伝えるハブになる」と説明し、千葉明氏は「現地のみなさんが日本に対して抱く好奇心を、“なに?”から“なぜ”に。そのためのコンテンツとして、映画は有効であり、中でもハリウッドは絶好のロケーション。評価を“いただく”のではなく、“取りに行く”という姿勢へ、パラダイムシフトしていきたい」と力説した。さらに別所哲也は、「自分の子どものような映画祭が成人式を迎えた。この映画祭はロサンゼルスでの仕事をきっかけに生まれたので、こちらで20周年を迎えられたのは嬉しい」と感慨を滲ませた。

レッドカーペットの模様
左から、小林直己、AKIRA、HIRO、今市隆二
左から、千葉明夫妻、海部優子氏、別所哲也
河瀬直美
YOSHIKI
previous arrow
next arrow
レッドカーペットの模様
左から、小林直己、AKIRA、HIRO、今市隆二
左から、千葉明夫妻、海部優子氏、別所哲也
河瀬直美
YOSHIKI
previous arrow
next arrow

 エンターテインメントの分野で世界に挑戦しているLDHは、2017年にロサンゼルスに米国支社であるLDH USAを立ち上げている。映画祭の翌日にはちょうど、LDHが運営する総合エンターテインメントスクール「EXPG」のLA校もオープンするところだ。EXILE HIROは、今後の展開について、「日本で自分たちが培ってきたものを、それぞれの夢を乗せて世界に発信していきたい。LDH USAを、そのための場にしたい」と、SSFF & ASIAやジャパン・ハウスと共有するビジョンを明かした。また、アンバサダーのAKIRAと小林直己は、「SSFF & ASIAをここまでの規模に成長させるのは、簡単なことではなかったはず。アンバサダーとして選ばれたことには、嬉しさと同時に責任感も感じる。自分自身も成長して、日本から世界に挑戦できる俳優になりたい」(AKIRA)、「リドリー・スコット監督がゼネラルプロデューサーを務めるNetflixオリジナル映画『アースクエイク・バード』に出演したのですが、その映画では、言語が違って文化が違っても、人は人同士で繋がれるということが描かれている。エンターテインメントは、ボーダーを超える大きな手段になる」(小林直己)と、それぞれに感想を述べた。

 『CINEMA FIGHTERS』でも監督を務めた河瀬直美監督は、ショートフィルムという表現について、「ショートフィルムは20分とかの短い時間なので、そこに観客の想像力を刺激するものが必要となる。深みのあるストーリーを構築するには、世の中に埋れてしまうような物語を掘り起こすようなハングリーさや探究心が必要」と、その奥深さを伝えた。また今回、今市隆二とタッグを組む松永大司監督は、「アメリカで日本映画というと、一般の方々にとっては未だに黒澤明監督とかのイメージだと思う。でも、日本には世界に出ていきたいと考えている監督やアーティストなど、若い才能がたくさんいる。彼らに希望やチャンスを感じてもらうきっかけになりたい」と語った。

 楽曲の歌詞をショートフィルムにする新たなジャンルとして展開している『CINEMA FIGHTERS』について、ミュージシャンとして感想を問われた今市隆二は、「前回の『ウタモノガタリ-CINEMA FIGHTERS project-』の『ファンキー』という作品で、三代目 J SOUL BROTHERSの『東京』という楽曲を起用してもらったところ、石井裕也監督が自分とは全く違う解釈で楽曲を聞いていて、面白い化学反応だと思いました。ミュージシャンと監督が寄り添って、さらにいろいろな作品が生まれたら」と、期待を寄せた。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「映画シーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる