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アカデミー賞作品賞は『ROMA/ローマ』が最有力? 例年以上に“大混戦”な情勢を読む

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 第91回アカデミー賞のノミネーションが1月22日(現地時間)に発表された。それを受けて今現在言えることは、「本命不在」「大混戦」という毎年必ず耳にするまやかしのようなフレーズが、こんなにも信憑性を持つ年は珍しいということである。ゴールデングローブ賞で作品賞を受賞した『ボヘミアン・ラプソディ』と『グリーンブック』、最多10ノミネートを獲得した『ROMA/ローマ』と『女王陛下のお気に入り』、それぞれにそれぞれのウィークポイントがあり、授賞式当日、作品賞が発表されるその時まで何が受賞するか皆目見当がつかないという事態になるだろう。

『ボヘミアン・ラプソディ』(c)2018 Twentieth Century Fox

 アカデミー賞作品賞を占う最も重要な“前哨戦”は2つある。それは言わずもがな日本でも大きな注目を集めるゴールデングローブ賞と、そしてアカデミー会員の大部分を占めるといわれているプロデューサー組合の組合員が投票するアメリカ製作者組合賞の2つ。とりわけ大きなポイントとなるのは今年でちょうど30回目を迎えた後者。これまで29年間で20作品が同賞を受賞して、そのままアカデミー賞作品賞を受賞しているのだ。

 そして、製作者組合賞を受賞できずにアカデミー賞作品賞に輝いた9作品のうち、『恋におちたシェイクスピア』『ビューティフル・マインド』『ムーンライト』がゴールデン・グローブ賞で<コメディ・ミュージカル部門>もしくは<ドラマ部門>の作品賞を、『許されざる者』『ブレイブハート』『ミリオンダラー・ベイビー』『ディパーテッド』が監督賞を受賞している。どちらも受賞できなかったのは『クラッシュ』と『スポットライト 世紀のスクープ』の2作品のみで、両者ともアカデミー賞では監督賞と編集賞、演技部門、脚本部門で候補入りを果たしていた。

『ムーンライト』(c)2016 A24 Distribution, LLC

 「作品賞」というのはプロデューサーが受賞するものだが、作品“全体”を評する賞という意味合いは極めて強い。それゆえ「アカデミー賞で他の部門にノミネートされているかどうか」も重要な要素であり、それは単に多くの部門にノミネートされればよいというわけでもない。重要なのは前述した監督賞・編集賞・演技部門(主演・助演の男女優賞)と脚本部門(脚本・脚色)ノミネートに他ならない。『アルゴ』が監督賞にノミネートされずに作品賞を獲得したことも比較的記憶に新しいが、それは史上4作品しかない珍事。また『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』が編集賞に候補入りせずに作品賞を受賞したが、これも『普通の人々』以来の30年以上ぶりのことだった。演技部門で候補入りしていない作品賞受賞作は、黎明期にはいくつかあったが、60年代以降は4作品のみ。脚本部門に至っては1952年の『地上最大のショウ』以降で『サウンド・オブ・ミュージック』と『タイタニック』という歴史的名作のみである。

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