求められるのは常套設定を超越する何か? 菅田将暉×永野芽郁『3年A組』は推測しにくいドラマに

『3年A組』は推測しにくいドラマに

 いずれにしても、「学校に閉じ込められる」というシチュエーションや「死んだ生徒/いなくなった生徒の動機を探る」という設定自体は、『悪の教典』であったり欅坂46の『残酷な観客達』(日本テレビ)などなど、似ている作品を羅列していけばきりがない。そんな中でおそらく本作のマインドにもっとも近い位置にあるのは、Netflixで配信されている海外ドラマの『13の理由』であり、また「問題を抱えた集合体に再生の機会を与える」というラインでは、本作の脚本を担当している武藤将吾が手がけたドラマ版『家族ゲーム』(フジテレビ系)にも似たニュアンスを感じる(「悪意にまみれたナイフで~」の台詞はよく似たものがあったはずだ)。

 そういった作品が比較対象として置かれる中でどのようにして、現在2019年の日本の、それも学園ドラマとして展開していくか。もっとも、この第1話のような1人の生徒と澪奈との関係を深掘りして→理由を見出すが不正解→誰か1人が死ぬというようなパターン化だけは避けるべきであり、常套設定を超越する何かが求められることは言うまでもない。若手キャストひとりひとりにフォーカスが当てられるのか、それとも満遍なくアンサンブルとして作り上げられていくのかという点も含め、期待を込めて見守っていきたいところだ。

20190107-3a-sub5
20190107-3a-sub2
20190107-3a-sub1
20190107-3a-sub3
20190107-3a-sub6
20190107-3a-sub7
20190107-3a-sub9
20190107-3a-sub11
previous arrow
next arrow
20190107-3a-sub5
20190107-3a-sub2
20190107-3a-sub1
20190107-3a-sub3
20190107-3a-sub6
20190107-3a-sub7
20190107-3a-sub9
20190107-3a-sub11
previous arrow
next arrow

■久保田和馬
映画ライター。1989年生まれ。現在、監督業準備中。好きな映画監督は、アラン・レネ、アンドレ・カイヤット、ジャン=ガブリエル・アルビコッコ、ルイス・ブニュエル、ロベール・ブレッソンなど。Twitter

■放送情報
『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』
日本テレビ系にて、毎週日曜22:30〜放送
出演:菅田将暉、永野芽郁、萩原利久、秋田汐梨、若林薫、佐久本宝、富田望生、片寄涼太(GENERATIONS from EXILE TRIBE)、川栄李奈、上白石萌歌、新條由芽、鈴木仁、古川毅(SUPER★DRAGON)、望月歩、搗宮姫奈、堀田真由、日比美思、森山瑛、三船海斗、今井悠貴、若林時英、今田美桜、飛田光里、大原優乃、神尾楓珠、横田真悠、森七菜、西本銀二郎、福原遥、高尾悠希、箭内夢菜
脚本:武藤将吾
チーフプロデューサー:西憲彦
プロデューサー:福井雄太、松本明子(AX-ON)
演出:小室直子、鈴木勇馬、水野格
制作協力:AX-ON
製作著作:日本テレビ
(c)日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/3A10/

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる