『ファンタビ』やMCUからあのキャラもランクイン 2018年、“最悪に最高だった”ヴィランTOP5

『ファンタビ』やMCUからあのキャラもランクイン 2018年、“最悪に最高だった”ヴィランTOP5

 また一年が終わりを迎える。2018年、映画・ドラマシーンで印象的だったのは“ヴィラン(悪者)”の在り方だった。そもそも、ヴィランって何だろう。考えた時に真っ先に思い浮かぶのが、『アンパンマン』のばいきんまんだ。ばいきんまんは、わかりやすく悪者としていつも登場する。しかし、「ばいきんまんは時にはいいこともする。悪に徹しきれないところがある」と、作者のやなせたかしは『それいけ!アンパンマン にんきものだいしゅうごう!キャラクターベスト15』(2002)でコメントしている。

 近年における映画・ドラマシーンにおいて、より現代的に変貌を遂げてきたヴィランたち。これからご紹介する2018年に活躍した最高のヴィランは、皆ある共通点を持っている。それは、私たちが「ヴィランのロジックやモチベーションが理解できる」ことである。そして、ばいきんまんのように善と悪の境目がグレーであることを気づかせてくれるのだ。

 以下、悪に染まる動機の切なさや、作品のヒット具合に基づいて、2018年最高のヴィランをランキング形式で讃えていきたい。

5位:ゴースト(『アントマン&ワスプ』)

『アントマン&ワスプ』(c)Marvel Studios 2018(写真はアントマン)

 前作『アントマン』ではハンク・ピム博士が開発したイエロージャケットを盗んで、技術を軍事利用しようと企んでいたダレン・クロスというヴィランがいた。しかし、今回登場するのはゴースト(エイヴァ・スター)という女性ヴィランだ。彼女はピム博士のラボを奪い、ピム博士の妻・ジャネットの力を利用しようとする。

 しかし、ゴーストの悪事の背景には悲しい過去と辛い現実があったのだ。ピム博士も関わる研究所の事故によって両親を失い、自分は体の細胞がくっついたり千切れたりを繰り返す体質になり、まともに実態を保つことができなくなってしまった。そんな自分の能力をシールドに利用され、生活を奪われ、そして想像を絶する痛みと常に向き合ってきたのだ。

 彼女はただ、この痛みを取り除きたかっただけなのである。痛みから逃れたい、普通の人間になりたいと願う気持ちは悪なのだろうか。ビルの忠告を聞き入れ、スコットの娘に手を出さなかった点や、ジャネットを目の前にして素直に助けを求めた点も、彼女が他人をむやみやたらに傷つけたいヴィランでないことを証明している。

4位:ニーガン(『ウォーキング・デッド』)

 人気海外ドラマ『ウォーキング・デッド』のこの人、ニーガンもまたヴィランについて深く考えさせられた存在だ。私はもう彼が大好きで仕方ない。だからつい、彼の立場から物語を見進めていくのだが、するとどうやら彼がただの悪い奴ではないことがわかってくる。

 もともと、主人公リックの仲間2人を、愛用するバットで殴り殺した男だ。第一印象は最悪で、サイコパスのようにも思えた。しかし、徐々に彼が「反抗的で危険因子となり得るグループには見せしめで一人殺す」、「人々は資源」というモットーを掲げていることが理解できる。ニーガンは、無駄な殺しや抗争を好まない。そして彼からすれば、リックたちが“やばい奴ら”なのだ。

 ニーガンからすれば、得体の知れない新グループが自分の仲間の寝込みを襲って虐殺してきたのだ。そんなことをされれば自分のグループに所属する女子どもの安全を考えて、一人ぐらい見せしめで殺そうと算段するのもうなずける(2人になったのは、どこかの誰かさんが暴れたから)。

 我々はリックの背中をシーズン1から追って、彼と共に旅を続けてきた。しかし、主人公がニーガンだったら? 彼もまた、リックと同じようにリーダーとして自分のグループの統率をとり、民を守っているだけで、ニーガンなりの正義があるのだ。

 シーズン8では、ニーガンは「弾と労力の無駄」と思っていた全面戦争をついにリックが始める。この戦いを通して、リックとニーガン両者の善のバランスがうまく交錯し、戦争下において悪の所在が明確ではないことを教えてくれる。

3位:グリンデルバルド (『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』)

『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』(c)2018 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved Harry Potter and Fantastic Beasts Publishing Rights (c)J.K.R.

 もしかすると、「ハリポタ」界で一番恐ろしいヴィランはヴォルデモートではなく、グリンデルバルドなのかもしれない。なぜなら、力づくで人々を従えさせるヴォルデモートと違い、グリンデルバルドは巧みな話術を用いて“相手から来させる”のだから。

 そんなカリスマ性を持つ彼は、本作で魔法族がマグル(ノーマジ)から隠れて生活しなければいけないことに疑問を抱く。自分の種族が劣っていると思いたくない、堂々と生きていたい、人間が支配した世界は戦争が起こる……など、あらゆる動機から(これも彼の巧みな話術の一つかもしれないが)彼は、魔法族の進出を望む。

 これもまた、ヴィランなりの正義と言えるのではないだろうか。そして、自分の種族に誇りを持ちたいというヴィランは、彼以外にも少なくない。

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