橋本環奈、矢本悠馬、吉田鋼太郎……『今日から俺は!!』は役者陣の“全力ぶり”に圧倒される

 漫才のような掛け合いを見せたかと思えば、全力で変顔を作って喜怒哀楽を表現する。『今日から俺は!!』(日本テレビ系)ではその奇想天外な世界観とともに、役者陣の“全力ぶり”が話題を呼んでいる。まず何といっても登場人物たちのキャラクターが濃い。観ていて思わず茫然としてしまうくらいの勢いに圧倒されてしまう。その中でも、ひと際作中で面白さを放つキャラクターを紹介しよう。

今井の子分・谷川(矢本悠馬)

 紅羽高校の番長・今井(太賀)は、腕っぷしには絶対的な自信を見せており、喧嘩シーンでは時にカッコいい一面を見せることもある一方、どこか間が抜けたことをしてしまうこともしばしば。特に、女子生徒の前では気づかないうちに暴走してしまうことも。

 そんなときに、的確なツッコミを聞かせてくれるのが今井の子分の谷川である。ツッコミといっても、谷川は今井のことをリスペクトしていることもあり、ドラマの中ではその多くが谷川の心の中での言葉として現れる。例えば、理子(清野菜名)に今井が告白するときや、明美(若月佑美)と今井が喫茶店で話しているときのこと。意味の分からないことを言い始めたり、突拍子もないことをやり始めたりする今井を、すぐ近くで見守る谷川の心の中のツッコミは実にキレがいい。心の中では今井のことを普通に「バカ」としている谷川。今井が理子を見て「可憐だ」と言うと、すかさず「よくそんな言葉知っていましたね」と言ってしまうようなさりげない一言もまた笑える。今井自身も十分飛びぬけたキャラクターを持ち合わせているものの、その横で今井をフォローしつつ、時には今井を冷静に心の中でツッコむ谷川がいると余計に、今井のおかしさが強調されるのだ。

父親役の2人(吉田鋼太郎、佐藤二朗)

 三橋の父親・一郎(吉田鋼太郎)、そして理子の父親・哲夫(佐藤二朗)の2人もまた、本作の中で絶妙な面白さを持ったキャラクターである。『今日から俺は!!』ワールドで、コミカルな振る舞いや言動をするのは何も学生たちだけではないのだ。

 気が弱い一面を持っており、基本的には妻の愛美の尻に敷かれ、事あるごとに愛美からはツッコミを受けている一郎。そんな彼もまた多くの作中の人物と同様に風変わりなところがあり、お茶の間を笑わせる存在である。取引先との交渉でミスしたため、公園のブランコで1日時間をつぶしたことを告白したり、三橋がもし東大に行ってくれたら政治家になって汚職で得た賄賂で、ハワイに移り住めるなんて言ったり。しかもこうした言動を真顔でやってのけるので余計に滑稽だ。

 一方、哲夫はとにかく理子のことを溺愛する父親であり、パンチパーマで強そうな感じもする。ただ、第3話では実際に学生たちの喧嘩の中に割って入るシーンがあったものの、意外とあっさり倒れてしまった。理子曰く、「現役離れているからね。弱いの、ぶっちゃけ」とのこと。一郎とはまた違うものの、一郎と同様に自分の子供よりもある意味では風変わりなところがあることは否めない。とはいえ、家庭ではちゃんと料理もして(美味しくない時もあるけれど)娘思いのところは微笑ましいところではある。

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