『御上先生』主人公の中学生時代役で衝撃デビュー 小川冬晴が目指す俳優としての新たな夢

現在放送中の日曜劇場『御上先生』(TBS系)は、松坂桃李演じる主人公・御上孝が、日本の教育を変えるために令和の高校生たちと向き合いながら、日本教育に蔓延る権力に立ち向かう姿を描く話題作だ。
そんな本作で、御上の中学生時代を演じているのが、14歳の小川冬晴。回想シーンに登場するや否や、SNSで話題になり、一気に注目を集めた。事務所に所属してわずか1年足らずで日曜劇場デビューを果たした彼は、まさに彗星の如く現れた存在だ。撮影時は13歳であったがカメラの前で堂々とした存在感を放ち、インタビューでは年齢を感じさせない落ち着きと芯のある言葉で語る姿が印象的に残る。
そんな彼は、どんな思いでこの作品に挑み、これからどんな道を歩んでいくのか。『御上先生』の撮影現場でのエピソードや、今後挑戦してみたいことについて話を聞いた。(すなくじら)
「今の御上先生が生まれる“きっかけ”を大切にしたい」

ーー事務所に入ってから1年経たず、日曜劇場でデビューとはまさに異例だと思います。学校の友達からの反響などはありますか?
小川冬晴(以下、小川): 実は、学校ではドラマに出ていることは話してないんです(笑)。たぶんみんな知らないと思います。でも、本当に仲のいい友達には伝えました。喜んでくれて、すごく嬉しかったです。
ーー出演が決まったときは、どんな気持ちでしたか?
小川: 涙が出るほど嬉しかったです。初めてのドラマ出演なので、決まったときは本当に夢みたいでした。でも、それと同じくらい不安も大きくて。自分にこの役が務まるのか、現場でちゃんとやっていけるのか……。もちろん「頑張ろう!」という気持ちは強かったんですけど、周りの皆さんに迷惑をかけてしまわないかも不安でした。

ーー喜びと同時にプレッシャーも感じていたんですね。役柄について聞いたときは、どのように感じましたか?
小川: 御上先生の中学生時代の役と聞いて、「重要なポジションを任せていただいたんだ」とすぐに感じました。大人になった御上先生に繋がる部分を演じるわけなので、彼がどんな少年時代を過ごしたのかを意識する必要があるなと。どういう経験が彼の人格を作ったのか、今の御上先生が生まれる“きっかけ”を大切にしたいと思いました。
ーー視聴者の間では、第1話の放送からSNSで「この子は誰なんだ⁉︎」と話題になっていました。
小川: ありがたいです……。視聴者の皆さんも「御上先生ってどんな人なんだろう?」って気になりながら観ると思うし、生徒や文部科学省の人たちの視点からも描かれるのが面白いところかなと。いろんな角度から御上先生という人物が見えてくるので、その中で僕の演じる部分がどう影響していくのかも、ぜひ楽しみにしてもらえたらと思います。

ーー御上先生を演じる松坂桃李さんと、共演してみていかがでしたか?
小川: 本読みのときの、声だけで感情を伝える力がすごくて。とにかく、一言一言に説得力があるんです。とても安心感を感じさせてくださる方だなと思いました。今回生徒を引っ張る役柄を演じている点もあるかもしれませんが、大人の落ち着きとか包容力みたいなものを感じました。

ーー全体としてはどんな雰囲気の撮影現場だったのでしょう?
小川:スタッフの皆さんも優しくて、居心地のいい空間でした。初めての現場で緊張していたんですが、監督が「自然体でいい」「その場にいるだけで大丈夫」と言ってくださって。それで、あまり作り込まずに、感情の流れに任せることを意識するようになりました。和やかで温かい雰囲気があったので、肩の力を抜いて演じることができたと思います。

ーー御上孝の実兄には、事務所の先輩でもある新原泰佑さんも出演されています。
小川: 初対面のときからすごく優しく接してくださいました。撮影中、自分が緊張していたら、休憩時間や撮影前に「大丈夫だよ」と声をかけてくれたり、手を握ってくれたりして。不安が少しずつ和らいで、気持ちを落ち着けることができました。
ーーまさに兄弟のようなエピソードですね。現場の他の共演者の演技を間近で見て、刺激を受けたことはありますか?
小川: 皆さんの演技を見ていると、本当にその人物がそこにいるように感じるんです。周りにスタッフさんがいても、完全にその場の空気に入り込んでいるような。それがとても印象的で、自分もそういう演技ができるようになりたいと思いました。