生きづらい現代に“モフモフ”を 『プーと大人になった僕』『パディントン2』愛され続ける2匹のクマ

『プーさん』『パディントン』クマの魅力

 仕事が忙しかったり、家族や仲間と上手くいかなかったり……、自分では一生懸命頑張っているつもりなのに、どうしてか壁にぶち当たってしまうことがある。「どうしてできないんだろう」「もっと上手に生きられれば」。狭い箱に入れられているような閉塞感を感じ、そこから出る勇気が持てずに悶々とするのは、現代に生きる人達に共通する課題ではないだろうか。

 そんな独特な生きづらさが蔓延する今、とある2匹の“モフモフ”のクマがわたしたちを丸っと包み込もうと映画界にひょっこりと顔を出した。9月14日に公開された『プーと大人になった僕』のくまのプーさんと、『パディントン2』のパディントンだ。イギリス生まれの2匹のクマは、言わずもがな長年愛され続けてきたキャラクター。小説で生まれた彼らは、イラスト、アニメ、ぬいぐるみなど様々な形に変わりながら人々を癒やし続けてきた。

『プーと大人になった僕』(c)2018 Disney Enterprises, Inc.

 くまのプーさんは、A・A・ミルンによって1926年に誕生してから今年で92年目。そしてパディントンはマイケル・ボンドが1958年に命を与えてから、今年で生誕60周年となる。生まれた時代は違えど、世代を問わず愛される“モフモフ”の2匹は、現代になって実写化という形でロンドンにたどり着く。

 『プーと大人になった僕』は、大人になったクリストファー・ロビンのピンチを助けるためにプーがロンドンへ大冒険に出るという物語。小説『プー横丁にたった家』で、寄宿学校行きが決まった少年クリストファー・ロビンは、プーと再会を誓い、別々の道を歩むことになるのだが、『プーと大人になった僕』はそんな少々ほろ苦いシーンからスタートする。

 長い年月が経ったクリストファー・ロビン(ユアン・マクレガー)は、100エーカーの森で遊んでいた頃とはまるで別人のように、しかめっ面で社会に揉まれた大人に成長していた。上司に仕事を押し付けられ、せっかくの休暇を潰してしまい、妻と娘からの愛に応えられない毎日を送っている。いつのまにか人間らしさを忘れ、機械のように働き続けるクリストファー・ロビン。偶然か、運命か。そんな彼の元に偶然プーがやってくる。

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