『半分、青い。』谷原章介が語る、佐藤健&原田知世と築いた萩尾家 「和子さんを支えるために弥一はいた」
最終回まで残りわずかとなった朝ドラ『半分、青い。』(NHK総合)。主人公・鈴愛(永野芽郁)と同じ日に生まれた幼なじみの律(佐藤健)がどんな結末を迎えるのか、連日目が離せない展開が続いている。
律の母・和子(原田知世)が旅立つ中、物語当初より優しく2人を見つめ続けているのが、律の父・萩尾弥一だ。リアルサウンド映画部では、弥一を演じる谷原章介にインタビュー。原田知世や佐藤健との共演や、現場の裏側などをじっくりと語ってもらった。
「集まった瞬間に“萩尾家”を共有できました」
ーー物語の冒頭、「萩尾写真館」の紹介で弥一と和子さんの「いらっしゃいませ」の一言だけで、“萩尾家”のイメージがはっきりと伝わってきました。原田さんとは萩尾家の雰囲気をどのように作ったのでしょうか?
谷原章介(以下、谷原):自然に作られていったものだと思います。北川(悦吏子)さんは各キャラクターを役者さんのイメージに合わせて作ってくださったこともあり、萩尾家をどういう風にしようだとか、僕らの関係性や距離感ってこうだよねという相談をするよりも、台本に書かれているものを受け入れればいいのかなと。原田さん、佐藤健くんと集まった瞬間に、自然と「萩尾家はこういう感じだよね」と共有できた気がします。
ーーフワフワした雰囲気で少女のような和子さんと、和子さんと律を包み込む暖かさをもった弥一さんがとても素敵でした。
谷原:原田さんと健くんだったからこそ、僕も弥一を演じることができたと思っています。弥一の人物像で印象的だったのが、鈴愛ちゃんが受験票を取り違え、律が京大を受験することができなくなった責任を感じて、楡野家が一家総出で萩尾家に謝罪に訪れるシーンです。弥一は鈴愛ちゃんを責めることはせず、律の本心をそこで語ります。和子さんは「私は天才を生んでしまった」と言い、「ノーベル賞を取れる」とまで律のことを秀才と感じていました。梟町のみんなも同じように思っていて、律には知らず知らずのうちにいろんなプレッシャーがかかっていました。そんな中、弥一だけは律のことを「この子は大丈夫かな」と別の視点で見ていたように思います。父親である弥一は律をどんな風に見守ってきたのかが垣間見えるシーンであり、すごく素敵だなと思いました。
ーー和子さんが亡くなるまで、弥一さんの出演シーンには常に和子さんがいました。
谷原:たぶん、和子さんと一緒の空間にいないのは、宇太郎(滝藤賢一)さんをはじめとしたお父さん連中とスナックに行ってるシーンくらいですよね。原田さんはそこにいるだけで和子さんになっていたので、僕も静かに横にいることができればと。
ーー和子さんが亡くなってからの弥一ひとりのシーンは、これまでとは何か違いがありましたか?
谷原:やはり喪失感が先にあって、ただ楽しくいるシーンがありません。撮影に行くたびに、「もう和子さんがいないんだなあ」と毎回噛み締めていました。