ポイントは“ムツゴロウ精神”? 『ジュラシック・ワールド/炎の王国』は挑戦的な作品に
しかし、逆に言うなら、こういうふうに思うのは個人の思想信条という極めて主観的な部分にまで踏み込まれた証だ(いわゆる「好き嫌いがハッキリ分かれる映画」タイプだと思う)。事実、本作はこれまでのシリーズに“ケジメ”をつける側面も併せ持っている。そうした作り手の覚悟と、先に書いたような確かな技術が一体となった挑戦的な作品だと言えるだろう。あとはその挑戦に対し、こちらがどう応えるかの問題だ。とりあえず、今は誰かと居酒屋で、この挑戦への感想を語り合いたい。そういう気持ちにさせられる力作だ。
■加藤よしき
ライター。1986年生まれ。暴力的な映画が主な守備範囲です。
『別冊映画秘宝 90年代狂い咲きVシネマ地獄』に記事を数本書いています。
■公開情報
『ジュラシック・ワールド/炎の王国』
全国公開中
製作総指揮:スティーヴン・スピルバーグ、コリン・トレボロウ
製作:フランク・マーシャル、パトリック・クローリー、ベレン・アティエンサ
キャラクター原案:マイケル・クライトン
脚本:デレク・コノリー、コリン・トレボロウ
監督:J・A・バヨナ
キャスト:クリス・プラット、ブライス・ダラス・ハワード、B・D・ウォン、ジェームズ・クロムウェル、テッド・レヴィン、ジャスティス・スミス、ジェラルディン・チャップリン、ダニエラ・ピネダ、トビー・ジョーンズ、レイフ・スポール、ジェフ・ゴールドブラム
配給:東宝東和
(c)Universal Pictures
公式サイト:http://www.jurassicworld.jp/